東京オリンピックの年の政治

縦割り110番とは意味は?日本はこれで変わるか?ネットで様々な声

菅義偉新首相の指示を受けて、自らのウエッブサイトに即座に開設した河野太郎行革担当相の「縦割り110番」に3000通以上の投稿が殺到し、翌日には一時停止せざる得なくなりました。

縦割り110番とはどのような意味があり、どんな意図を持って設置されたのでしょう?
なぜネットでこれほど大きな反響が出ているのでしょう?

過去の行政改革の例もみて日本がこれで変わるかについて考えてみましょう。

ひまり
郵政民営化の熱気を思い出す

縦割り110番とは意味は?

縦割り110番とは意味を見てゆきましょう。

河野太郎行革担当相は、菅義偉首相の指示を受けた翌日に、自身のサイトに、「行政改革目安箱」(縦割り110番)を開設しました。

縦割り行政や規制の弊害に関する情報や苦情を一般から広く受け付けるもので、「無駄な規制、仕事を妨げている規制、役所の縦割りで困っていることなど情報をお送りください」、「霞が関の住民からのインプットも歓迎します」とツイートしています。

「規制改革をこの政権のど真ん中に置く」と宣言した菅義偉首相が「例えば『縦割り110番』みたいな、国民から現実に起きていることを(募集し)参考にしたらどうだ」と河野太郎行革相に提案したものを直ちに実行したものです。

従って、これから規制改革を進めるにあたり、その種を一般から広く吸い上げて、実施する参考にしよう、同時に国民の関心を大いに高めようとの意図もあると思われます

投稿フォームはもともと以下にありました。
氏名、メールアドレス、住所、電話を記載したうえで、投稿するフォーマットとなっていました。

行政改革目安箱(縦割り110番)

これに対し、ヤフコメでは、ほとんどが「仕事が早い」「違いなく良い取り組みだ」との称賛の嵐で、投稿数が1日足らずで、3000通以上となり、「すべて私が目を通します」とツイートしていたこともあり、翌日には一時中止となりました。

では、菅首相の考えている「縦割り行政」の弊害とはどのようなことを意味するのでしょうか?

「縦割り行政」について菅首相は、自らがかかわった実績として、ダムの事前放流の問題、インバウンド拡大のためのビザの発行緩和、ふるさと納税などを挙げました。

ダムの事前放流の問題を例に挙げると、全国に570カ所ある洪水防止を目的とした多目的ダムは国土交通省所管、900カ所ある発電用や農業用のダムは経済産業省や農林水産省が所管しており、後者は洪水対策に使われていなかった。

縦割り行政の弊害を排除して、こうしたダムの水量を洪水対策に活用できるよう見直しを行い「八ッ場ダム50個分」の洪水対策の水量を、費用をかけずに全国に確保することが可能となったとしています。

恐らく発電用のダムには一定水量を維持する必要に従った規則があり、農業用のダムには渇水防止のために多めの畜水が義務付けられているなど、法律や規則があり、所管の各省庁はこれに従っていたため抵抗したのだと思えます。

人命を最優先にして、災害を防ぐために、何をすべきかという一番大事な視点が、所管の省庁における従来から考え、法律、規制などで、欠けていたのだとしています。

ただ、「行政改革目安箱」(縦割り110番)については、スピード感抜群とは思いますが、いくつかの懸念点はあります。
・重要な個人情報をインプットして投稿するが、個人のサイトでセキュリティは大丈夫か?
・「霞が関の住民から」と内部告発も奨励しているが、告発者が守られる保証、制度はあるのか?
・拾い上げる項目が恣意的にならないか?政策を実行するに当たって、都合よく使われないか?
公的なサイトでないがゆえの問題点が垣間見えます。

目安箱って庶民がお代官さんに直訴するためのものだよね
れん

これまでの行革はどうだったか?

行革自体は、橋本内閣から連綿と受け継がれ、それぞれの内閣で大きな目標として掲げられてきました。

第2次安倍政権でも、発足当時、「行政改革推進会議」を設置し、省庁改革を政治主導で実行する。発足から1年以内に改革計画を立案、3年以内に立法措置となっていました。

確かに、目標の1つとして挙げた独立法人改革は、独立法人数を減らすという成果はあったと思います。

しかしその後は政治主導に力点が置かれ、成果とともに、長期政権末期には弊害も現れ始めました。

これまでの行革で何ができて何が残されたのか、なぜ縦割りの弊害にターゲットを絞ることが行革の肝となるか?そのあたりの説明が十分なようには思えません。

国民の支持をバックに、既成省庁の官僚を敵として戦うのは、国民にはアピールするかもしれませんが、それで成果は十分出せるのでしょうか?

小泉内閣郵政民営化の場合を思い起こしてみましょう。

自民党内の郵政民営化に反対する議員を抵抗勢力として、戦いの図式を描き、国民の熱狂に包まれる形で、総選挙での大勝利後、民営化を断行しました。

結果はどうだったのでしょうか?
昨年に起こったかんぽ生命の不正販売問題など、民営化がその原因のすべてとは言いませんが、民営化による収益第一主義など大きな要因となっているのではないでしょうか?

企業価値である株価を見ても元から40%となる大きな下落をしており、そこから財政に寄与するはずの政府保有株売却もできず、延期となったままです。

企業名コード
2015年11月上場時
2020/9/18
下落率

かんぽ生命
71814120172442%
ゆうちょ銀行
71821823
86547%
日本郵政61781999759.338%

つまり、資産価値を大きく減らしたと言わざるを得ません。これで民営化に成果があったと言えるでしょうか?

抵抗勢力をたてて、これをターゲットとして、国民の熱気をあおり、その勢いで、選挙を行い改革を実行する。

国民もこれまでの歴史に学んで、もう少し冷静に物事を見る必要があるのではと思います。危うさを感じます。

河野太郎行革担当相自身も2015年10月7日、第3次安倍第1次改造内閣において、行政改革担当大臣を経験しています。

そのとき何をやられて、何ができなかったのか?その点ももう少し明確にしてほしいところです。

ひまり
打破、破壊するってワクワクするものね

縦割り110番にネットで様々な声

同じ日本国民の中で利害や意見が大きく食い違うこの問題を
河野大臣はどのように裁いて見せるのか?
これは、この人が今後どこまで行く器なのかを見る良い機会になるのかもしれません
氏名だけでなく住所も必ず書かないといけないフォーマットだから、冷やかし半分では送れないと思う。なので声を上げたいと思っていた人がそれだけ多かったということでは。
間違いなく良い取り組みだと思う。
今までの悪しき習慣を表に出すためのやり方。
何もやらないより、結果はどうあれ確実に前進の行動だと感じる。
今の時代はスピードが重要。
やりながら、改善して行けば良い。
目安箱設置は、行政への睨み効果も高いでしょう。
パンクするほど、色々な意見が出ている事は、素晴らしいと思う。
肝心なのは集まった声に対してどのような行動を起こすのかだと思います。
応援をしたい気持ちはあります、
しっかりと仕事をしてもらいましょう。

出典:ヤフコメ

のりのりで突っ走るのもちょっと怖いわ
れん

まとめ

要約すると...

  • 縦割り110番とは、河野太郎行革担当相が自身のサイトにスピード感を持って設置した縦割り行政や規制の弊害に関する情報や苦情を一般から広く受け付ける目安箱で、縦割り弊害を打破する種にするとともに、国民の関心を掻き立てる意図がある
  • 政府による行政改革は従来から連綿と行われてきたが、効果があったものばかりではなく、郵政民営化のように弊害が生じ、財政的な損失も被ったと思われる事例もあり、これさえやれば、日本が変わると考えるのは早計である
  • ネットではその早さなど実行力を称賛する声が圧倒的だが、どのように実行するのかが大事で今後をしっかり見守りたいとの声もある

もう一方で、注目されるデジタル庁の設置が、当初2022年の4月と報道され、新たに庁を作るのだから法律を作り組織を作るので、それだけかかるのかそれにしても遅いと感じていましたが、平井デジタル担当相は来年度中にと修正したようです。

ただし、来年度中とは2022年3月31日までということですので、大きく変わらず、期限をあいまいにしただけのように思え、スピード感を持ってとは言えそうにありません。

それに比べると、河野行革担当相は、できることはすぐやるを実行しているのが評価されています。

ただ、当然ながら縦割り行政打破すること自体が目的ではなく、何を目的として、これでかえって弊害が出ないようにどのように打破するかをじっくり考え、国民に分かりやすく、透明性をもって実行していただきたいところです。

ひまり
菅さんが河野さんの力を試しているの?

-東京オリンピックの年の政治

Copyright© 東京オリンピック消滅の年、いったい何があった? , 2020 All Rights Reserved.