接触確認アプリCOCOAのダウンロード数は8/7 17:00の時点で、1205万件と予想以上に健闘しているものの肝心の陽性登録数が、累計で165名と全く伸びていません。
これでは、接触確認アプリ意味ないとの声も上がっています。なぜ、陽性登録数が増えないのでしょうか?
その4つの理由を探ってみましょう。

目次
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接触確認アプリ陽性登録数が少なすぎて意味がない?
6月19日に厚生労働省によって公開された新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」。
ダウンロード数の推移を見てゆきましょう。
7月10日 陽性者登録できない不具合が判明しました。
公開時に、1か月間は試行版で、修正がありうるとの断りがありましたが、これは公開前に確認すべき根本的な不具合であったと思います。
7月13日 不具合を修正したiOS版のバージョン1.1.2が公開されました。
6月19日以降のCOCOAダウンロード数の推移
7月13日以降の登録感染者数と全国感染者数の累計
日時 | 登録陽性者数 | 累計陽性者数(バージョンアップ後) | 割合 |
---|---|---|---|
7月13日 | 0 | 0 | |
7月14日 | 333 | ||
7月15日 | 783 | ||
7月16日 | 1407 | ||
7月17日 | 2274 | ||
7月20日 | 3594 | ||
7月21日 | 4226 | ||
7月22日 | 5021 | ||
7月27日 | 9014 | ||
7月28日 | 9995 | ||
7月29日 | 69 | 11259 | 0.61% |
7月30日 | 76 | 12560 | 0.61% |
7月31日 | 14139 | ||
8月3日 | 107 | 17966 | |
8月4日 | 121 | 19205 | 0.63% |
8月5日 | 20559 | ||
8月6日 | 148 | 22044 | 0.67% |
8月7日 | 165 | 23649 | 0.70% |
日本と一番仕様が似ているのがドイツです。
過去14日間、感染報告者と10分以下の接触機会があり、感染報告者と8m以上の距離があった場合、警告が来るようです。
日本の人口1.265億のスマートフォン保有率は64.7%と言われていますので、8185万人となりますので、ダウンロード数1205万人は14.7%に相当します。
一方、同じタイミングで、BluetoothベースのAPI分散型と同様の仕様で公開されたドイツでは現時点で、1520万ダウンロード(7/8)、ドイツの人口は約8300万人で、スマートフォン所有者は5800万人と言われているので、ダウンロードした人の比率は26%となります。
感染者の登録も、陽性判定を受けアプリでそれを申告する形式で、日本と同様となっています。
ドイツ在住の日本の方が、最近リスク通知され、陽性判定された知人が登録したことがわかったそうです。
ドイツの警告通知の画面
Bin wahrscheinlich einer der wenigen, die eine app Meldung gemacht haben. Meine Frau hat die Warnung bekommen. pic.twitter.com/hNPIf9J0mH
— Yakup K (@yakup_berlin) June 24, 2020
"sie sind ansteckend"あなたは感染しました
ドイツでは、2000回を超える登録がされているようです(7/8)。
これは公開されてからの日数50日と最近の1日平均の感染者数500人をかけるとこの間の感染者は約25000人となり、2000回は約8%に相当し、0.7%の日本を1桁以上上回ります。
感染者の登録が日本のように任意なのか義務なのかの情報は得られませんでした。
ただ、ドイツのPCR検査能力はかなり高いですので、当然優先的に検査を受けれることは確実だと想像されます。

陽性登録数が増えない理由とは
「陽性」登録するための「処理番号」発行が遅い
「処理番号」発行の手順を見ておきましょう。
・コロナ関連の症状を疑い保健所に相談
・保健所の指示でPCR検査を受ける
・PCR検査の結果陽性者に認定される
・保健所が厚労省の感染者管理支援システム「HER-SYS(ハーシス)」に入力して処理番号を発行
・保健所より処理番号が陽性者にメールで通知される
・陽性者が処理番号をCOCOAに登録
・14日以内に接触した人のスマホにCOCOAから通知が届く(個人情報、位置情報は知らされない)
保健所所員が多忙のため、「HER-SYS(ハーシス)」に入力することが後回しとなるのかそもそも業務として徹底されていない場合もある
HER-SYSへの完全移行ができておらず、陽性者が出た場合に国に入力を代行してもらうためのメール送付などの手間と時間がかかる(7月の大阪市など)。
接触の検出は、COCOAをダウンロードしたスマートフォン同士が1メートル以内で15分以上接すると、Bluetoothでお互いのスマホ情報を記録します。
感染可能性のある人にできるだけ、早く知らす必要があります。14日たてば、ほとんど無意味になります。
メリットが明確でない
ダウンロードしたメリットが明確でなく、あっても周知されていない
優先的にPCR検査が受けられるなどのメリットが明確でない。
通知を受けたスマホの持ち主は、「保健所のサポートを早く受けることができる」(厚生労働省)ため、PCR検査を早く受診できると厚生省は言っているが、CMでもこれを宣伝してる訳でなく、市町村で、積極的にPCR検査につなげてくれるところとくれないところなど差がある。
デメリットが少ないことが周知されていない
個人情報への配慮はCOCOAの一番の特長であるが、十分理解されていない。
COCOAは最大限個人情報保護に力点をおいて開発されたアプリで、位置情報を含め個人情報は一切取り込みません。スマホ同士が接触した情報も各スマホに情報が残るだけで、中央サーバーに集められるわけでなく。しかも2週間たてばすべて削除されます。
バージョンアップされても通知が来るわけでない
筆者は、COCOA公開と同時にダウンロードし、毎日「陽性者との接触を確認する」をどきどきしながらタッチして、「陽性者との接触は確認されませんでした」の文章を見ていましたが。陽性者の登録ができないなら、バージョンアップされた7月13日までは全く無駄なことに一喜一憂していたことになります。
今後は連絡あるのかもしれませんが、バージョンアップせよとの通知もなく、今日初めて1.12にバージョンアップしたところ、14日間のデータはなくなり、8月11日から0日使用と表示される始末です。
なんだか市販のアプリに比べるといかにも不親切という感がします。
厚労省は、「COCOAへの陽性の登録はあくまで利用者が自主的に協力していただくもので、強制できるものではありません。あくまで『お願いベース』です。今後も、ダウンロード数や陽性登録件数を増やすべく、丁寧に説明して周知を図りたいと考えています」
陽性登録件数を増やすよう真剣に努力しているとはとても思えません。
PCR検査を優先的に受けられますとCMで宣伝すると、保健所に負担をかけると躊躇しているのでしょうか?
すべてが中途半端に見えます。

接触確認アプリへのネットの反応





出典:ヤフコメ

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まとめ
要約すると...
- 現状では陽性登録数が少なすぎるため、接触確認アプリをダウンロードした意味がほとんどない
- 陽性登録数が少ない理由は、保健所による処理番号発行の遅さ、PCR検査を優先的に受けれるなどのメリットのなさなど4つある
- 陽性者と接触確認通知が来ても、保健所では、マスクをしているなど濃厚接触でなければ、PCR検査を受けさせてもらえなかったとの声が多い
公開されたアプリやシステムについての問題が多いようですが、このアプリは、もともと民間のボランティアグループが日本で受けいられるようにプライバシーを十分保護することに重点を置いて、GoogleとAppleのBluetoothベースのAPI分散型として開発しました。
GoogleとAppleが、各国の1種のみ、保健当局が管理するという形でしか使わせない方針でしたので、政府にゆだねたという経緯があります。
運用も含めて、最後まで民間に委託しておけばどうだったのでしょうか?政府に移管されてからいろいろ問題が生じ、対応も遅いまたはピントが外れているように見えます。
現在のような感染拡大時、特にスマホを多く使う若者の感染者が増えているいまこそ一番このソフトが活用できるチャンスではないですか?
感染拡大時に有効な手段は、PCR検査能力と、感染者との接触により感染の恐れのある人への速やかな通知です。
両者とも後手後手になっているように思えます。これで、経済を回しながら、感染拡大を防ぐことができるのでしょうか?
ダウンロード数が伸びている今の時期がこのアプリを活かすかどうかの極めて大事な時期に差し掛かっていると思います。
意味ないとの声が広まれば、ダウンロード数がストップし、ボランティアで開発した開発者の熱意を無駄なものにしてしまいます。
時期を逸する前に、政府の担当者はただちに動いてほしいと思います。

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