各地で高齢者ワクチン接種が始まり、予約が取れないなど混乱が報告されています。
ワクチン接種できない体験談をネットでの実態も含めブログにまとめました。
神奈川県西部のA町とB市で、ワクチン接種をしようとしたお二人の方にインタビューしましたので、実態をご報告します。
また、日本でなぜこれほどワクチン接種が遅れているのかその原因を探りました。

目次
ワクチン接種できない体験談をブログで
ワクチン接種がなかなかできない体験談をブログで見てゆきます。
A町に住む73歳の山本さん(仮名)と、隣のB市に住む70歳の藤田さん(仮名)に協力をお願いしました。
A町は人口1万人程度、65歳以上の高齢者が60%を占めるのどかな町です。
4月下旬に、接種券が高齢者全員に送られてきて、集団接種は5月6日の9時から電話かネットで予約開始と通知されました。
山本さんは東京都の区や横浜市での接種予約の混乱を見て、妻と二人分をなんとか予約したいと9時5分前には、パソコンの前に陣取りました。
今回は6月6日までの6回分960人分をネットと電話で受け付けるとのことでした。
9時0分0秒に、ログインし、奥様の分を初日に取りました。次にご本人の分を同じ日に取ろうとし、初日の、後3人と表示された時間帯(人枠15人)をクリックして必要事項を入力しているうちに、予約枠がなくなりましたと表示されました。
気を取り直して次の日で、残り人数表示が比較的多い7名となっている時間帯をクリックして何とか入力を完了できました。
日は別々になりましたが、予約を取れてほっとしたそうです。
その日の夕方4時ごろに、予約は満杯になりましたとの有線放送が入りました。
他の町に比べると比較的余裕があったようです。
B市の藤田さんは、山本さんの友人で、山本さんより、パソコンは得意ではありませんので、山本さんは、藤田さんに最短で入力できるように指導をして、何度か練習を繰り返し、B市の予約開始5月10日8:30に備えました。
当日のその時間は、山本さんはどうしても病院に行かねばならず、藤田さんの健闘を祈っていました。
B市は、人口4万人とA町に比較すると4倍で高齢者50%程度の市です。
ところが予約受付人数は6月初めまでの3日分270人分に過ぎませんでした。
藤田さんは、8:30にはパソコン前に座り、直後にアクセスして、入力を始めましたが、すぐ満杯ですと表示が出て、それ以上進めず、予約に失敗してしまいました。
時計を見ると8:34分で、後に神奈川新聞で確認したところ、B市の予約は、2分で打ち切りになったとありました。
基礎疾患を持ち、県外の病院に通う、藤田さんは、その後個別接種のいくつかの病院に掛け合いましたが、診察券を持っているか、定常的に通院していないと予約は受け付けないと、断られてしまいました。
藤田さんは、途方にくれていますが、31日の次の予約(2日分)にかけるしかないと悲壮な思いでいるそうです。
個別接種する市内の医療機関に、ワクチンの分配を多くして、患者の囲い込みをしているのではと藤田さんは疑っています。
健康で、かかりつけの医者がいない高齢者も絶望的です。
コロナワクチンの接種予約システムに障害が発生、複数自治体で受け付けできなくなっています。データ処理に関わる米IT企業「セールスフォース・ドットコム」で大規模な通信障害が起きたのが原因とみられます。https://t.co/UHXGGD7WSh
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) May 12, 2021

なぜワクチン接種が日本ではスムーズに進まないのか?
5月10日時点で、日本の新型コロナウイルスのワクチン接種が世界196カ国中129位で、経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国37カ国の最下位に陥っています。
日本で少なくとも1回の接種を受けた人の割合は2.4%で、日本より接種開始が遅かった韓国は7.1%(98位)、コロンビア7.8%、ニュージーランド4.4%(35位)と比べても大幅に遅れています。
感染を抑えるキーとなる、東京五輪開催のためのゲームチェンジャーとなると、政府も世論も期待し、力を入れていたはずなのになぜ日本では、接種がスムーズに進まないのでしょうか?
本気で東京五輪を開催したいという意思があるなら、ワクチンを確保し、医療従事者、高齢者、一般人の順に接種を7月の五輪開催前に終えることに全力を挙げたはずです。
大感染を引き起こしながら、アメリカやイギリスのように40%以上の接種を急速に終えて、感染を抑え込みつつある国もあります。
また、感染数が比較的少ない、台湾やシンガポール、ニュージーランド、オーストラリアなどは、急いで接種する必要は、小さいのかもしれません。
日本は、これだけワクチン接種を早くやらねばならない事情を抱え、世界での接種や予約の情報なども、十分把握できる位置にありながら、なぜこんな状態なのでしょう。
経済活動をある程度維持しながら、コロナ感染を抑えるという課題からすると、国民の接種を行うという目標はクリアーで、きちんと考えて工程を組めばはるかにやさしい課題ではないかと思えます。
その原因は、根本的に日本の現在の体質にあるのではないでしょうか?
5つの原因があると思います。
・実務能力が落ちている
世界最高といわれた官僚の質が落ちている
5回しか接種できない注射器に気づいた事件がありましたが、現場も見ないし、だれも指摘しないのだとあきれました。
・失敗から学ばない
予約の混乱は、特別給付金の騒ぎで学習済みのはずです。
デジタル庁が発足しないとなにも始まらないのでしょうか?
・号令だけかけて、精神論で、やり遂げようとする
高齢者7月末接種完了、1日100万回計算上はそうなりますね。
・注射できる医療関係者が少ない
米国などの状況を見てれば、薬剤師などを早めに訓練してなど誰かがリーダーシップをとって環境を整えることはできたはず。
・システム的に全体を見て工程を組んでいない
上手くゆかなかった場合のオプションがない。
自衛隊投入など良いアイデアだとその場の思い付きで突き進む。
原因となる根っこは深そうです。

ワクチン接種予約に対するネットの反応

なんなの、この国は!




出典:ヤフコメ

まとめ
要約すると...
- 体験談やネットからワクチン接種できない現状をまとめた
- 日本でワクチン接種が遅れているのは5つの根本的な原因がある
- 接種の予約の難易度にも各地で、差が生じており、混乱が深まっている
本当にやりたいこと、今やらねばならないことさえスムーズにできないというのがこの国の現状です。
政府は勿論ですが、国全体で根っこにある問題を少しでも変えてゆかないとこのままでは、この国は衰退し、滅ぶのではと危機を感じるところです。
国民の6割のワクチン接種を速やかに終える課題さえできないのなら、感染を抑え込むこと、オリンピックを開催すること、傷んだ経済を立て直すことなどより難しい問題を解決できるはずもありません。
