9月7日中米のエルサルバトルが世界で初めて暗号資産(仮想通貨)のビットコインを法定通貨とし、国家公式のビットコインウォレット「チーボ(Chivo)」を提供し始めました。
値上がりが期待されましたが、一時17%急落して多難な滑り出しとなりました。
エルサルバトル政府はビットコインCMを放映し、そのメリットを謳い、国民への普及を狙っています。
急落も招いた暗号資産の初の法定通貨に世界の反応はどうだったのでしょう?

目次
エルサルバトルのビットコインCM
エルサルバトル政府によるビットコインウォレット「Chivo Wallet」のCMが公開されました。
El Salvador Bitcoin Legal Tender Day Commercial: $30 Air Drop & More Video's on The Ground 9/7/2021
スペイン語ですので、聞き取れませんが、ビットコインのメリットとして以下を挙げています。
・「チーボ」をダウンロードした人には30ドル相当のビットコインが付与される
・第三者に手数料を払うことなしにビットコインやドルでの支払いを受け付けたり、スモールビジネスを開設してアプリケーションから管理したり、家族や友人からお金を受け取ったり、送金を行ったりすることができるようになる
エルサルバトル特有の事情
・国民の7割が銀行口座を持っておらず、多くの人が金融システムにアクセスできるようにする
・米国で働く親族からの送金が経済の重要な役割を果たしており、外国からの送金はGDPの約2割を占め、年間の送金手数料は4億ドル(440億円)に達する。
なお、使用は義務でなく、任意だとしています。
Welcome to #Bitcoin, El Salvador. pic.twitter.com/OYpBzpzQ9d
— Binance (@binance) September 7, 2021

9月7日にビットコインが急落した理由
これまで、ビットコイン価格が暴落する理由は4つありました。
・国による規制がかかった
・金融情勢が変化した
・何らかの不正が発覚する
・大量の売却が出た
今回、ビットコインの利用が広がる可能性が出てきたわけで、今のところ、上記4つは当てはまりません。
・最近の値上がりの反動
エルサルバドルの法定通貨としてデビューすることの期待感により、ビットコインの価格はここ数週間、市場全体の動きを下回っていたが、9月6日に約2%上昇し、約4カ月ぶりに5万2000ドルを突破しました。
急激な値上がりへの反動が考えられます。
・電子財布「CHIVO(チーボ)」導入後、技術的問題でアクセスを一時停止した。その後アクセスに問題はないとしているが、今後の運用への不安を残した。
・エルサルバドル国民の評判は必ずしも良くなく、送金手数料などと関係ない国民全体に順調に受け入れられないのではとの懸念がでた。
・法定通貨となることで、ビットコインの弱点であるボラティリティー(価格変動)の大きさや、マネーローダリングの懸念が改めて意識された。

エルサルバトルのビットコイン法定通貨に世界の反応は?
CMへの反応をまず見てみましょう。





出典:youtube
CMには肯定的なコメントが多いですが、法定通貨とすることに、次のような懸念の声もあります。
ビットコインの流動性の低さを潜在的な限界のひとつ(JPモルガン・チェース社)
あらゆる種類の法的およびマクロ経済的な問題がある(IMF)
価格の変動が激しいので、リスクが大きい。
犯罪集団がマネーロンダリング(資金洗浄)に活用する不安がある。
ビットコインの相場動向次第では、政府の財政上のリスクが一段と上昇する

まとめ
要約すると...
- ビットコインのCMはが法定通貨となることで多くのメリットあると宣伝している
- 初日のビットコインの急落の原因として4つの理由が想定される
- ビットコインの法定通貨を懸念する世界の専門家も多く、今後を見極める必要があるとしている

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