中国の不動産大手恒大集団のデフォルト騒ぎが、リーマンショックの再来かと世界中に恐怖をまき散らしています。
ところが、有事の金と言われる金価格が上昇せず、下げる場面さえも見受けられます。
金価格なぜ下がる?2021年有事なのに理由はどこにあるか見てゆきましょう。

目次
金価格なぜ下がる?2021年疑問の声
これほど有事に近いことが起こっているのに、2021年金価格はなぜ下がるのでしょう?
一般的な金価格下落の要因
7つの要因が挙げられます。
・地政学リスク
「有事の金」と言われるように、戦争などの有事が迫ると、お金の信頼が弱まり、金の価格が上がります。
お金の信頼性が保たれている平時では、このようなことは起こりにくいと考えられます。
・米ドルの上昇
米ドル安になると資産が目減りするのを避けるため、ゴールドなど代わりとなる資産へと逃避します
・金利の上昇
金は金利を生みませんので、金利が上昇すると他の資産のほうが魅力的となり、価格が下がります。
・需給バランスが崩れる
金の持つモノの面により、金の需要減少するか、供給量が増加すると需給バランスにより、価格が下がります。
最大の産金国中国の供給量が増加した場合や、金を好む中国やインドの景気が悪くなり需要が落ち込むなどした場合
但し、埋蔵量と産出量が徐々に減ってくるのは確実ですので、長期的に見れば、金価格が維持される根拠となります。
・中央銀行の金売買
各国の中央銀行が売買する金の量は大きな変動要因となります。
1990年代は、中央銀行が世界の年間の需要の1割にも当たる金売却していたため、金価格は、約250ドルまで下落するほどの長いトンネルに入りました。
しかし、2010年から金の売却側から購入側へと中央銀行が立場を変えたため、金価格は上昇しています。
・デフレ
金は、インフレヘッジと言われるよう、インフレになると金価格は上昇しやすくなります。
1970年代のオイルショックによる世界的なインフレ時、金価格も同様に上昇し、インフレヘッジとなることが証明されました。
デフレ下では金価格は上がりにくいと言えます。
・景気動向
金は宝飾品・工業品需要として強い需要がありますから、景気が良いと価格が上がりやすくなりますが、不景気だと、売れ行きが悪くなり価格は下がりやすいといえます。
2021年の矛盾
恒大集団のデフォルトが現実になるのではと世界の市場で株価が暴落した9月16日(日本時間17日) 金価格も1790ドル台から1740ドル台まで3%近くも暴落しました。
有事の金、安全資産の金が、なぜ、デフォルトとなるかもしれない場面で売られたのでしょう?
いくつかの要因が重なりました。
もし、デフォルトが起こったらと考えると、投資家はとにかく現金が必要ということで換金売りの波にさらされるのです。
金のいつでも売れて現金化できるという特性が生かされる訳です。
予想に反し、米国小売統計が好転したことが発表されるなど、経済好転を背景に米10年金利が1.3%台で上昇しました。
また、外為市場ではドル高進行するなど、
この日、金価格を押し下げる3つの要因が重なり、金の売りにつながったと考えられます。
その後、恒大集団が23日期限の債券の利払いの見込みができたことで、デフォルトの懸念が一時的に後退し、21日には、金価格は、一部戻しましたが、まだ9月上旬の1800ドル台とはほど遠い水準にあります。
2021年金価格下落の理由
2016年以降の海外金価格の推移を見ておきましょう。
金相場は、2020年3月の「コロナ・ショック」とされた世界的な株大暴落が一段落した後に大きく上昇し、2000米ドルの大台を突破するまでの過去最高値を更新しました。
ところが、2020年11月の米大統領選挙後のあたりから、株や原油相場が一段高に向かったのに対し、債権に相関し、安全資産としての側面を持つ金相場は下落が拡大するところとなりました。
これは、株や原油相場が、中長期的に「下がり過ぎ」であったのに対し、金相場は基本的には2016年からの長期上昇相場が続いていたからと考えられます。
これに、コロナ後の米国国内景気回復にともない、テーパリング(量的緩和縮小)が早まるのではないかとの観測がでて、金利上昇に伴い、金価格を押し下げました。
今後1500ドルを割り込むこともありえるとの見方もあります。

金を日本で買うなら
株の暴落、円安、ハイパーインフレの恐れなどを考えると、個人投資家もリスク分散として金を持つ意識が高まっています。資産の10~20%を金に投資するのが、良いと言われています。
金が下がりつつある今、金投資を始めるチャンスだとも言えます。
ただし、金投資は「価格に波があるため、購入時期を分ける」、「価格が高額であるため、少額で購入する」という2点に気を付ける必要があります。
つまり、コツコツと毎月買い続けることができる、純金積立や金ETFを利用するのが得策です。
筆者は、5年以上金投資の経験があり、金価格の上昇期に恵まれた面もありますが、投資額に対し、50%以上のプラスとなっています。
具体的なやり方は前記2点を守ったうえで、以下となっています。参考にしてください。
M純金積立で毎月最低額である3000円を積み立てる(口座手数料無料)。
平均購入価格が表示されるので、その日の相場がそれ以下であれば、大きく購入する(例えば、10万円)。この場合も口座積み立てをしていれば、手数料無料。
相場の動きを見ながら、2,3日に分けるのも良い(1日の中で購入価格の変動はない)。
長期にこれを続けることにより、平均購入価格を次第に下げつつ、大きく購入する機会を増やし、金資産を増やすことが出来ます。
また、市場が開いている日であれば、売買可能ですので、いつでも対応ができます。
日本で買う場合は、為替の影響も受けることを念頭に、円高が日本の金購入価格を押し下げる要因になりますので、頭に入れておくとよいと思います。

金価格下落にSNSの反応は?





出典:ヤフコメ

まとめ
要約すると...
- 金価格が下がる要因を7つ挙げました
- 恒大集団のデフォルト懸念にもかかわらず金価格が下がった理由を解説しました
- 日本で金を購入するためのベストの方法を提案しました
