コロナ禍のため、春先から開幕できない状態のままにある米4大プロスポーツの一つ、MLB。試合延期は球団経営も圧迫しており、メディアではMLBは最近、傘下のマイナー球団の選手を大量に解雇していると報じられています。
MLBはなぜマイナー選手解雇を進めるのか。マイナーではメジャー昇格を夢見る若い選手がたくさん努力中で、中には日本人選手も。衝撃的な「マイナー選手大量解雇」の現状を探りました。

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MLBマイナー選手が大量解雇
米スポーツメディアは最近、相次いで「MLBが大量にマイナー選手解雇」と伝えました。それによると、これまで選手解雇に踏み切ったのはマリナーズ、ブルワーズ、レッズ、メッツ、ナショナルズ、オリオールズ、ロッキーズ、ブレーブス、ダイヤモンドバックス、レイズ、カージナルスの11球団。
既に合計で数百人が解雇されたとされ、最終的には1000人を超える規模になるともいわれています。報道では、解雇された中には日本のファンに馴染みある選手の名前も。例えば過去2週間で62人ものマイナー選手を解雇したダイヤモンドバックスでは、リストの中に元ヤクルトのデビッド・ハフ投手、元日本ハムのマイケル・トンキン投手が含まれていたそうです。
↓日ハム時代、小学校を訪問するトンキン投手
なぜ今、MLBは大量のマイナー選手解雇に踏み切るのでしょうか。野球をはじめプロスポーツはいわゆる「日銭商売」で、試合ごとの観客入場料や飲食、グッズ販売などが大きな収益源。これにテレビ放映権や広告収入が加わります。しかしコロナ禍で既に2か月以上、肝心の試合が中止に。
MLBが現在模索する今季開幕案では、試合数は例年の半分の80戦程度。1試合当たりの収入は1億円近いともいわれるため、半減で球団経営悪化は必至。多くの球団では既に職員の一時帰休や幹部報酬カットを行っています。資金減に伴い、毎年1500人規模を指名するドラフト会議も十分の一程度に大幅縮小し6月10日に行われる方向。これに先立ち、「新人の契約金捻出などのため」マイナー選手の大量解雇をせざるを得なくなったとみられています。
メジャーでさえ試合数が半減し、いまだ開幕が確定しない中、移動距離が長く施設も劣悪なマイナーでは、感染リスクが高いこともあり今季の試合は中止が決定的。こうした事情もあり、メジャー昇格が厳しいとみられる選手は日々百人規模で「解雇」を言い渡されているようです。
では解雇者の中に日本人選手は含まれているのでしょうか。

MLB teams release hundreds of minor leaguers — but not the Royals #KCRoyals https://t.co/ukunNOIVkS pic.twitter.com/IrkU5aJeCH
— Royals Report (@royals_fanly) May 30, 2020
解雇に日本人は含まれる?
MLBでは現在、メジャー選手の年俸減額を選手会と交渉中。最低保証年俸(約6000万円)の選手は1割カット、20億円超の「大物選手」は8割減などの機構案に対し、「冗談じゃない!!」と選手会は猛反発しているそうです。

一方でこうした〝贅沢な〟メジャー選手とは待遇が雲泥の差なのがマイナー選手。平均年収100万円ほどといわれる「極貧」で、毎日ハンバーガー位しか食べられないため「バーガーリーグ」の蔑称さえあるほどです。
MLBは生活保障のため、今季、マイナー選手1人当たり週約4万3千円の手当を支払っています。これは5月までの措置でしたが、16球団は6月以降もこの手当を続ける方向。アストロズ、マーリンズなどは8月まで支払いを継続するそうですが、中には5月で打ち切ったり減額したりする球団もあるといいます。
解雇は言うに及ばず、残っても生活が苦しいままのマイナー選手。現在日本人では、マリナーズ傘下の加藤豪将選手、ダイヤモンドバックス傘下の吉川峻平選手、ロイヤルズ傘下の結城海斗選手らがいますが、報道では今のところ、いずれも「マイナー選手解雇リスト」には含まれていないようです。
しかし今季の試合がなくなるとメジャーへのアピールの場も消滅。残留できたとしても、彼ら日本人選手たちにとってつらい日々が続くことは間違いなさそうです。

【MLB】加藤豪将の「技」に迫る 修羅場続きのマイナー生活とロッテ入り鳥谷から学んだ打撃術#mlbjphttps://t.co/nwHS3xGvCT
— Full-Count (@Fullcountc2) March 11, 2020
日本球界“追放”でもメジャーへ。吉川峻平「甘い決断はしていない」(四竈衛)#MLB #mlbjp #大リーグ #ダイヤモンドバックス #吉川峻平 https://t.co/wBePQ3kJhH
— Number編集部 (@numberweb) September 30, 2018
マイナー選手解雇にネットの反応は?





出典:Twitter
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まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
要約すると...
- コロナ禍余波でマイナー選手大量解雇。合計1000人超か
- MLB経営悪化や新人資金確保が理由。連日100人規模で非情通告
- 加藤、吉川、結城ら日本人は〝無事〟も、過酷環境変わらず
若い頃の下積みのつらさを知るメジャーリーガーにとっても、マイナー選手の苦境は人ごとではない様子。通算150勝のサイヤング賞投手で、昨オフにレッドソックスからドジャースに移籍したスター左腕・プライス選手は、傘下のマイナー選手200人以上に1人約11万円を支援するそうです。
総額2000万円以上の「個人的給付金」。年俸約34億円の超スタープレイヤーならではの善意といえますが、「勝敗・実力がすべて」の世界とはいえ、プロスポーツの厳しさをしみじみ感じさせる一エピソードではあります。

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