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プロ野球で投げ銭を阪神が初導入!デメリットとメリットは?

コロナ禍で長らく続いた自粛が明け、徐々に再開されつつあるスポーツ界。それでも以前のような「観客入り」開催はまだ難しく、ファンは無観客試合を自宅のテレビやネットで視聴する形が当面続きそうです。

そんな中、新しい「観戦スタイル」ともいえるスポーツの「投げ銭」をプロ野球・阪神が初導入、話題になっています。プロ野球では珍しい「投げ銭応援」。阪神はどんな形で行うのでしょうか。そのメリットやデメリットもまとめてみました。

もともとの「投げ銭」って、道端で芸人が披露している大道芸や音楽を気に入った通行人が、地面に置かれた入れ物にお金を投げ入れていくこと。現代ではそれをネット上で行うってわけね
ひまり

プロ野球で投げ銭を阪神が初導入

デジタル技術を用いて、インターネット上で他者にお金を渡す「ギフティング(寄付)サービス」の「投げ銭」。ユーチューバーが報酬を得る仕組みや、ひいきのアイドル応援などで知られていますが、コロナ禍でスポーツの生試合や生観戦ができない中、スポーツ界でも採り入れる例が出始めています。

サッカーのJ1鹿島が5月に過去の試合をオンラインで流し、視聴者がいいプレーだと思えば好きな金額を支払う投げ銭を実施したり、フェンシングの全日本選手権でも、ネット中継を視聴している最中にファンが投げ銭できるシステムを導入する方針です。

そして無観客で今季開幕したばかりのプロ野球でも、初めて投げ銭を導入する球団が登場。セリーグの阪神は、スポーツ特化型ギフティングウエブサービスを提供する「エンゲート」での投げ銭を承認し、26日から始まる横浜DeNAとの3連戦で実施します。

やり方は、ファンが「エンゲート」に会員登録し、クレジットカードを通じてポイントを購入。別途、テレビやネットなどで試合を視聴しながら、選手個々の気に入ったプレーや得点シーン、チームが勝利した場合などに、サイト上から好きなポイント数を選手やチームに「提供」する仕組みです。

YouTubeや課金ゲームなど一部のネットユーザーには知られる投げ銭ですが、果たしてプロ野球ファンにも浸透するのでしょうか。そのメリットやデメリットを探ってみました。

れん
エンゲートサイトでは、3連戦期間中に阪神の有名OB選手のトークイベントで企画を盛り上げるようだよ

プロ野球の投げ銭のメリットデメリット

プロ野球史上初めて、公式戦中に投げ銭システムを行う阪神。ではそのメリットやデメリットにはどんなものがあるのか、考えてみました。

【メリット】

■新しいファン交流の形

球団や主催者は、投げ銭が球場での観戦を待ち望むファンにとって、チームや選手との新しい交流の場になることを期待しているようです。阪神はコロナ禍中も、矢野監督がファンクラブのオンラインイベントに登場するなど、積極的にファンサービスを継続。投げ銭もその一環とえそうです。

■野球は投げ銭向き?

エンゲートでは既にJリーグやバスケのBリーグなど多様なスポーツで投げ銭システムを提供。サッカーやバスケはプレー中はノンストップですが、野球は結構「間」や「静止時間」が長い競技。試合を見ながらでも、ファンが投げ銭するタイミングをつかみやすいといわれます。

■選手育成や社会貢献に「参加」

主催者は「頂いたギフトは選手への還元はもちろん、タイガースアカデミーを中心としたジュニア育成、社会貢献活動にも活用する」としており、ファンがチームの育成や社会活動に〝参加〟している実感を得られるともいえます。

■無観客での新たな財源モデルに

NPBでは7月10日まで無観客試合が続く見通し。球団にとって入場料やグッズ、飲食販売は大きな収益源で、無観客では売上が半減以下になるともいわれます。プロ野球のようなメジャー競技では、ファン一人当たりでは少ない額でも母数が多いため、投げ銭が新財源になるとの目論見もありそうです。

【デメリット】

■選手やチームにちゃんと届く?

一方でデメリットと考えられることの一つは「投げ銭が本当に選手たちに届くの?」という疑問。ポイントはサイト運営者から購入するため、お目当ての球団や選手の手に確実に渡るには「運営者━球団━選手」の透明な仕組みが不可欠だといえます。

■心理的な「見返り感」不足

従来の投げ銭は「お金を出して相手が成長する」「ランキングが上がる」「自分を認知してもらえる」といった〝見返り感〟も重要なモチベーション。しかしスポーツではファインプレーや本塁打に投げ銭してもそれは寄付に近く、必ずしも目に見える成果が返ってくるわけではありません。

■既にお金を払っている

有料の衛星放送やネット配信で試合を視聴している場合、既に試合を見る(=応援する)ことでお金を払っているため、その上さらに投げ銭で「上乗せ払い」する動機になるのか、という疑問もあります。投げ銭促進のためには何らかの特典提供が必要になるかもしれません。

今回の阪神企画では、投げ銭したユーザーに、ポイント数に応じて「オリジナルスマホ用壁紙」や「非売品タイガースオリジナルグッズ」をプレゼントするキャンペーンもあるそうよ!
ひまり

阪神の投げ銭導入にネットの反応は?

100万人くらい阪神ファンおるんやから一人千円だして10億円の資金を毎年作って毎年FA獲得するべ
分配金システムとか見直して、もっと12球団に資金が行き渡るようNPB自体がプロ野球としてのビジネスモデルを考えればいいのに
阪神が負けたら、ファンに投げ銭をしてほしい
こんなに負けが込んで投げ銭て…阪神は黒星投げることから始めんかい
『銭やなくメガホン投げられるわ』言うてるやつがいますが、福留さんは試合中にシーブリーズ投げられた事があります

出典:Twitter

まとめ

今回の記事をまとめると以下の通りです。

要約すると...

  • 阪神がプロ野球で初めて「投げ銭」システム導入。26日DeNA3連戦で
  • 新しいファン交流の形。選手やチームに直接お金を渡して応援する形
  • 期待の一方「見返り感少ない」「有料視聴で既に応援」とデメリットも

投げ銭の一種に、日本では古来「お賽銭」という文化があります。これもある意味「ご利益」というリターンを期待したシステムですが、神社や地域によって平均の賽銭額にはかなり差があるそうです。

「ランキングに反映」といえばプロ野球ではオールスター投票もありますが、今でさえ、期待外れのベテラン選手にわざと票を集める行為が批判されるように、「お金」が絡むと別の難しい問題も発生しそう。スポーツ観戦で見返りを求めるのは、「競技を楽しむ」「選手を応援する」というそもそもの趣旨に反しているといえるのかもしれません。

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