東京オリンピックの年のスポーツ

聖火リレーの都道府県の順番はなぜこう複雑に決まったの?

7月に迫った東京オリンピック2020。その最も重要な関連行事の一つである「聖火リレー」が、3月26日からいよいよ日本国内で始まります。

聖火はオリンピックの象徴。これを多くの人でリレーして開会式の競技場に運ぶことで「ああ、本当に五輪が始まるんだなー」という機運も一気に高まります。

ところでこの聖火リレーが進む都道府県の順番は一体どうやって決まったのでしょうか。かなり複雑なルートのようですが、なぜこうなったのか理由を探りました。

ひまり
聖火リレーはナチス時代の36年ベルリン五輪で発案。ギリシャからベルリンまで3000人以上がリレーして運んだのが最初なんだって!

聖火リレーの都道府県の順番

そもそも「オリンピックの聖火」とは何でしょうか。定義を引用します。

聖火は、国際オリンピック委員会の権限の元ギリシャのオリンピアでともされる火のことであり、オリンピックの象徴でもある。大会開催期間中主競技場でともされ続ける。その起源は古代ギリシア時代に遡り、ギリシア神話に登場するプロメーテウスがゼウスの元から火を盗んで人類に伝えたことを記念して、古代オリンピックの開催期間中にともされていた。聖火は1928年アムステルダムオリンピックで再び導入されて以来、近代オリンピックの一部であり続けている。
Wikipediaより

そして東京オリンピック2020の聖火も、伝統に則ってこのほどギリシャで採火され、ランタンに入れられて特別輸送機で20日、宮城県の航空自衛隊松島基地に到着。26日、福島県の「Jヴィレッジ」から全国47都道府県をくまなく巡る聖火リレーがスタートします。

リレーに先立ち被災3県で「復興の火展示」が始まったんだけど、早速仙台で人が殺到。いきなり中止の恐れが……
ひまり

ではその聖火リレーの都道府県ごとの順番はどうなっているのか、以下に全部ご紹介します。

■聖火リレー2020の都道府県の順番

福島県→栃木県→群馬県→長野県→岐阜県→愛知県→三重県→和歌山県→奈良県→大阪府→徳島県→香川県→高知県→愛媛県→大分県→宮崎県→鹿児島県→沖縄県→熊本県→長崎県→佐賀県→福岡県→山口県→島根県→広島県→岡山県→鳥取県→兵庫県→京都府→滋賀県→福井県→石川県→富山県→新潟県→山形県→秋田県→青森県→北海道→岩手県→宮城県→静岡県→山梨県→神奈川県→千葉県→茨城県→埼玉県→東京都

大会組織委員会によると、聖火リレーはまず26~28日の3日間をかけて福島県内を移動。29日には次の栃木県へ。31日には群馬県へと、順次移っていく予定になっています。基本的には各道府県とも2日間か3日間でその県内をリレー。最後の開催都市である東京都には7月10日に入り、じっくり2週間をかけて東京都内の市町村を回り、同月24日に新宿の東京都庁に到着する計画です。

聖火リレー全行程は、計121日間で日本全体のほぼ半分に当たる857市区町村を巡り、約1万人がトーチをつなぐという壮大なもの。それだけにコースは相当複雑になっています。なぜこう複雑なルートに決まったのか、次の項で見てみましょう。

ちなみに前回64年東京五輪の聖火リレーは4ルートに分かれて走り、34日間で総距離6755㌔、走者総数10万人余りだった。今回は1ルートだけで計2000㌔ほどだだから、随分コンパクトにはなったんだな!
れん

なぜ複雑な順番なの?

まずはなぜ、都道府県を巡る聖火リレーの順番が、福島県をスタートして東京都まで達する前述のような形になったのかを調べてみました。

「復興五輪」の理念を表現

東京五輪組織委員会は18年からリレーの順番検討を本格化。その際に「震災からの復興五輪」という開催理念を打ち出すため特に岩手、宮城、福島の被災3県に配慮すること、開催都市・東京都にも最大の配慮をすることなどの大方針を定めました。

当初はスタート時の3月は北日本ではまだ寒いこともあり、前回東京五輪のように「南から北上する」という案もあったようですが、最終的には「被災地の中でも最も避難生活者が多い福島県」を出発地に選定。「困難を乗り越える力を受け継ぐリレーに」との思いを込めたそうです。

このため福島出発後は4月にかけ、比較的温暖な地を目指す意味で本州を南下。関西→四国→九州と渡り、5月に沖縄県で折り返し。九州の西側を今度は北に向かい、中国地方から日本海側の各県を北上。6月に北海道に入ると東北を回り、そこからいったん静岡県へ飛び、最後は関東近県を巡って東京に入るルートとなりました。

「聖火の県内滞在日数」についても、被災3県のほか東京と競技会場が多い7県を手厚くし、それ以外の39道府県は一律2日間と差をつけたそうです。

ひまり
なるほどー。だから都道府県の順番を線で結ぶと、福島から東京まで時計回りの「一筆書き」みたいになってるわけなのねww

独自の地域色打ち出すルート選定

各都道府県内の詳細ルート決定はそれぞれの自治体に任されました。ただし「ランナーは1日約80人、1人当たり約200m、1日8時間程度」といった目安があり、1人が走る時間は2分程度、1自治体で30分程度と制限が。このためとても県内の全自治体を回ることはできず、各県では調整や選定に色々苦労したようです。

各県は世界にアピールしようと、世界遺産や名所旧跡など地域を代表する景観地を選りすぐってルートに。例えば福島県は原発事故の対応拠点となったサッカー施設「Jヴィレッジ」を出発点とし、山梨県は「富士山の5合目」、沖縄県は「首里城守礼門」

広島県と大分県は日本泳法で聖火を運んだり、スキー、手こぎ舟、荒川の長瀞ライン下りや馬を使う自治体もあるなど趣向を凝らした工夫も。各地域でゆかりのある有名人がランナーに選ばれるなど、自治体を挙げて盛り上げる「お祭りリレー」の趣が強調されるようです。

れん
大河ドラマ「いだてん」で描かれた前回東京五輪のでは皆淡々と走ってた感じだったけど、今回は随分派手になりそうだなぁ
ちなみにリレーは離島でも実施。実際に火を運ぶと時間がかかるから「本土で消すと同時にその島で付ける」瞬間移動方式を採用するんだってw
ひまり

聖火リレーの順番へのネットの反応

聖火、宮城から上陸したのに、宮城が聖火リレーの順番回ってくるの6月後半なの意味わからんくてワロタ
感染リスク高い場合は順番入れ替えや距離短縮も!でも福島は絶対でしょ!
聖火リレールートか……今やなんか、むなしい
聖火リレーはヒトラーが始め、ナチスはその同じルートを逆にたどり侵略した。そうした歴史を考えればなおさら固執するのはおかしい
もはや聖火リレーを応援って雰囲気ではないですよね…

出典:twitter

まとめ

今回の記事をまとめると以下の通りです。

要約すると...

  • 東京五輪聖火リレーが26日開始。7月まで全都道府県を巡回へ
  • 復興五輪の理念から福島をスタート後「時計回りの一筆書き」
  • 趣向凝らしたルートやイベントも、コロナ禍で吹き飛ぶ懸念が…

本来の計画では、各地で盛大な歓迎イベントが開催され、多くの人が参加して子どもからお年寄りまで楽しみ、「五輪に参加しよう」という一体感を高めるお祭りになるはずだった全国の聖火リレー。

ところが新型コロナウイルスの感染拡大のため、一転して「イベントは中止」「沿道はなるべく無観客」「有名人ランナーに観客が群がった場合、別の人に差し替え」など、当初の理念からかけ離れた地味な催しになることが決定的です。

組織委員会は3月の3県リレー以降の日程も「今後の感染状況を踏まえて判断する」と留保しており、場合によっては聖火リレー自体が大幅省略される恐れも。五輪の開催自体が「危機」に瀕している今、準備に奔走してきた関係者の無念さは計り知れません。

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