埼玉県議会で、エスカレーター歩かない条例が可決されました。
全国初の条例ということですが、こういったキャンペーンはいつごろからあってその効果や理由は何なのでしょうか?
また、埼玉でのエスカレーター歩かない条例に罰則はあるのでしょうか?今後他県に波及する可能性も含めてまとめました。

目次
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埼玉エスカレーター歩かない条例の罰則は?
埼玉エスカレーター歩かない条例の罰則があるのかも含め、順に解説してゆきます。
埼玉エスカレーター歩かない条例とは
3月26日に開かれた埼玉県議会で、埼玉エスカレーター歩かない条例が可決・成立し、10月から施行されます。
条例の内容は、
・エスカレーターの利用者に立ち止まって乗ることを求める。
・エスカレーターの管理者に利用者にこれを周知することを求めた
・知事は周知が不十分な管理者に指導や助言、勧告ができる。
というもので、 条例に違反したとても罰則はありません。
この条例を制定した理由は、エスカレーター事故が後を絶たないということで、全国で2018年2019年のエスカレーター事故1550件このうち手すりを持っていなかったり、歩行中につまずいたりして転倒する「乗り方不良」による事故が805件と51.9%を占めたということです。
そもそもエスカレーターは歩くことを想定して作られておらず、本来手すりにつかまり立ち止まって利用する必要があります。
埼玉県のこういった条例は全国で初めてとのことです。
エスカレーター歩かないキャンペーン
エスカレーター歩かないキャンペーンがこれまでなかったのか見てみましょう。
鉄道会社などで、しばしばおこなわれてきました。
2017年度に駅のエスカレーターで、利用客が転倒するなどの事故が約180件に上ったことを重く見て、JR東日本が、2018年の秋~2019年、2月1日(金)まで、東京駅で「エスカレーター歩行対策」を試行したことがニュースになりました。
これまでもポスターで呼びかけていましたが、特製のビブスを着用した警備員が、エスカレーター前や、乗り込んで、利用者への声掛けも行いました。
2019年7月22日からは、全国の鉄道事業者などが協力しエスカレーターで「歩かずに立ち止まる」ことを初めて明確に呼びかけるキャンペーンが始まりました。
東京の上野駅ではJRや東京メトロの職員などが「歩かず立ち止まってご利用ください」などと呼びかけをまし、「2列で立ち止まって」と書かれた蛍光色のベストを着た警備員がエスカレーターに乗りながら呼びかけをしたほか、大型の掲示板も設置されたということです。
その後、この種の事故が減ったなどの報道や全国に広がったなどの報道は見あたりません。
エスカレーター歩かないキャンペーンが必要な4つ理由
エスカレーターでは、「歩く人、急ぐ人のために片側を空ける」のがマナーだと海外も含めてこれまで、広がってきましたが、間違っています。
エスカレーター使用の安全基準
エスカレーターの安全基準は、ステップ上に立ち止まって利用することを前提としています。
基本の設計が「1つのステップに乗れるのを2人までとし、利用者が必ず手すりにつかまれる構造にする」となっており、標準的な勾配は30度で公共の階段よりも急で、ステップの高さや奥行きも大きいのでつまずきやすく、ステップの幅は1.1メートル以下で公共の階段よりも狭く、追い越しは想定されていません。
片側をすり抜ける行為は危険
・他の利用者や荷物と接触して、事故を引き起こすことがあります。
・歩いたり走ったりすると身体のバランスを崩して、転倒するなど、大きな事故を引き起こすことがあり、他の利用者を巻き込む恐れもあります。
具体例では、
この前次女のとこのパート
さんのご主人がエスカレータ
で転倒して顔中血だらけに
なったらしい・・・😱
ケガじたいは浅い物だった
そうだけど・・・
もし歩いてて転倒とか
体の不自由な方が転倒だと
もっとケガするんじゃ?
やっぱり危険な行動は
控えるべき・・・ https://t.co/rg45OZhOyc— 聡(さと)♥翔くんLOVE♥コロナ撲滅祈願 (@satosho2425) July 3, 2020
2012年9月 都内の別の駅で高齢男性が急ぎ足で駆け降りていたところ、転んでエスカレーターの下まで落ちてけがをする事故が発生しました。
2013年5月 都内の駅で松葉づえを持った中年男性が、横をすり抜けた利用客にぶつかられて転倒、頭などを打撲しました。
2019年6月 東京・港区でエスカレーターを歩いて下りるジャケット姿の男性が降り口付近でバランスを崩し転倒した。このあと男性は降り口で手をついて立ち上がり、何事もなかったように立ち去りましたが、その後、服の右腕が破れて、腕を切るケガをしていることに気付き、、救急搬送され、何針も縫う手当てを受けたということです。
手にケガや障害がある人への危険性
ケガや障害などで、片方の移動手すりにしか、つかまることのできないひともいます。
たとえば、左腕を打撲負傷していて手摺につかまることができなかった75歳の方が、JR池袋駅構内の上りエスカレーターで左側に立っていたとき、右側を駆け上ってきた若者と接触し、つまずいたこともあったそうです。
また近年、エスカレーターでの事故負傷者の高齢者の割合が多くなっているそうです。
輸送効率が上がる
歩かずエスカレーターの両側に人が立つほうが、全体の輸送効率が上がります。
意外に思われますが、ロンドンの地下鉄ホルボーン駅のエスカレーター(23.4m)の実験では、「人々が両側に立つようにすると、それだけでも毎分31名多く乗れるようになり、率でいうと28%増加する」との仮説が確かめられました。
(2016年The Guardian参照https://www.theguardian.com/uk-news/2016/jan/16/the-tube-at-a-standstill-why-tfl-stopped-people-walking-up-the-escalators)
これは、3週間にわたって「両側に立とう」という実験が行われ、職員がエスカレーター上下に立って、左側を空けず両側に立つようにと声かけをした結果、それまで朝ラッシュ時間帯のエスカレーター利用人数が1万2745人だったものが、声かけを行った日は1万6220人が利用できて、27%の増加となったそうです。
一見、片側を空けて速く行きたい人を通す方が、輸送効率が上がるように見えますが、その前提は、止まっているひとと同じ密度で連なって歩くということです。
例えば歩く人の密度が止まっている人の3分の1ならエスカレーターのスピードの3倍で歩かないと効率が上がりません。
立ち止まる側に乗るひとの列が渋滞して、乗り口で多数が並んでいれば、それだけ、輸送効率が落ちることになります。
また、長いエスカレーターの場合、歩行レーンを立ち止まることなく、走り抜けれる人がどれだけいるでしょうかも疑問です。
結局一定時間に、エスカレーターの1ステップ当りに、乗る人の数で決まるように思えます。
日本でさらに、複雑で危険なのは、関東と関西で、片側空けのルールが違うという点です。
関東では、右側空け、関西では左側空けが習慣づいており、旅行中にしばしば戸惑います。
こういったことも歩かない習慣で一掃されます。

エスカレーター歩かない条例は全国に波及するか?
エスカレーター歩かないキャンペーンは、かなり長い間粘り強く続けられてきました。
ただ、キャンペーンの前後でどう変わったかとの効果についての報道がほとんどありません。
例えば、JRの駅での転落事故の件数を比較すれば良いので、それほど難しいとは思えないのですが、数値に現れるほどの効果がなかったのでしょうか?
埼玉県が、この条例の前後で、これだけの効果があったと、数値で示し、それが納得できるほど減少していれば、全国に広がるきっかけになるのではと思われます。

エスカレーター歩かない条例へのネットの反応

階段を広々と設けてメインに、エスカレーターは1人幅の小さいのを端の方に設置しておけば十分




歩いて乗りたければエスカレーターに乗らずに階段で移動すればいいだけ。
歩いてはいけないというエスカレーターの乗り方を推奨するにはいい条例だ。
出典:ヤフコメ

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まとめ
要約すると...
- 埼玉エスカレーター歩かない条例の罰則はないが、10月から埼玉県で施行される
- エスカレーター歩かないキャンペーンは、鉄道会社中心にこれまで、何度も行われてきたが、なかなか定着しないのが現状で、他県に波及するかは現状では不明
- 危険を防止するために歩かない必要性を認める意見と、急ぐ者のための階段がエスカレーター脇に必ず設置すべきとの意見やかえって混乱して危険になるとのコメントもある
「エスカレーター歩かない」は海外を含め、ときどき報道されますが、どうもその効果がどうだったのか定着したのかどうかなどの結果の報道が尻切れとんぼでほとんどありません。
特に、日本で、「エスカレーター歩かない」ことで、ラッシュ時などの輸送効率がどうなるのかの実験をしっかりやって、欲しいと思います。
やるなら本気で、鉄道会社、都道府県ふくめ全国で期間を限って「エスカレーター歩かない」キャンペーンを行いその結果を公表したらどうでしょう。
なんか毎回話題にはなるものの、力を入れた割には、中途半端に終わっている気がします。

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