東京オリンピックの年の経済

サンマの不漁原因は?なぜ中国陰謀論が出回ってるの? 

北海道釧路市で、全国で初めて水揚げされたサンマはわずか197匹、重さ20.9キロで、歴史的不漁と言われています。記録的不漁だった2019年の48.3キロの半分以下、2018年の742キロの2.8%となりました。

サンマのこれほどの不漁原因はどこにあるのでしょう。中国の陰謀というのは本当でしょうか?データで客観的に見てみましょう。

ひまり
もう秋にサンマは食べられないの?

サンマの不漁原因は?

サンマの不漁原因は海水温上昇や回遊ルートの変化、台湾、中国などによる公海でのサンマ漁の増大が挙げられています。

公海上でのサンマ漁は、1980年代中ごろからは韓国、後半からは台湾が漁獲を始め、中国が2012年から参入しています。

海で回遊するサンマの年ごとの資源量をデータで見てゆきましょう。

資源量は、日本の調査船調査で推定したサンマの公海上の3海区のトータルです(万トン)。

2003年の500万トンから、確実に減っており、この数年は、100万トン~200万トンと1/5から2/5となっています。

特に2016年以降落ち込みが激しいようです。

次に国別の漁獲量をグラフで見てみましょう(Summary Footprint of Pacific Saury Fisheries(NPFC)を参照)。

最高で34万トン(2008年)あった日本の漁獲量は、昨年最低の4万トン余り(2019年)と、12%まで減少しています。
この間資源量は、460万トン(2008年)から142万トン(2019年)31%減少しています。

2012年に中国が参入し、2014年には台湾が漁獲量1位となりました。
総資源に対する各国の漁獲量の総和とその割合を表に示します。


資源量
漁獲量
漁獲割合
2003
502.4
44.5
8.9%
2004
382.8
37.2
9.7%
2005
407.3
47.4
11.6%
2006
351.6
39.5
11.2%
2007
283.1
51.1
18.1%
2008
460.6
61.8
13.4%
2009
375.6
47.5
12.6%
2010
207.6
42.6
20.5%
2011
311.3
45.6
14.6%
2012
192
46.2
24.1%
2013
282.3
42.8
15.1%
2014
252.9
62.8
24.8%
2015
227.2
35.2
15.5%
2016
177.7
35.4
19.9%
2017
85.8
25.8
30.1%
2018
205.3
43.1
21.0%
2019
142.4
18.8
13.2%

2012年以降20%を超える年が多くなり、2017年には資源の落ち込みもあり、30.1%までに達しました。

確かに、日本に台湾、中国を含めたサンマの漁獲量が増えたのが、資源量を減らし、不漁の原因の主要因であることは間違いありません。

中国では、豊かになった市民が、サンマを食べることが一般的となったことがサンマ漁への参入の背景にあるようです。

しかし、2003年に500万トンあった資源量が、漁獲割合が10%前後の2009年までに300万トン前後へ減少しており、2017年30.1%の漁獲割合にもかかわらず、2018年には205.3万トンまで復活しているなど、乱獲の影響だけでなく、地球の温暖化など自然現象による水温の上昇や回遊ルートが変化などの影響も大きいと考えられます。

ここにも温暖化の影響が!
れん

不漁原因に中国は陰謀論?なぜ?

コロナ陰謀説のように、サンマの不漁原因も中国の陰謀ではないかとの説があるようです。
本当でしょうか?

国別の漁獲割合をグラフで再度見てみましょう。

2012年に中国が公海上のサンマ漁に参入して以来、漁獲量は年々増えてきましたが、2013年に日本にとって代わって以来の漁獲量1位の座は台湾が占めています。

2019年には、サンマの乱獲防止を目的とした北太平洋漁業委員会(NPFC)の約55万トンの漁獲枠(年間上限)導入に中国も合意しました。


資源量
日本漁獲量
日本漁獲割合
2003
502.4
26.5
5.3%
2004
382.8
20.4
5.3%
2005
407.3
23.4
5.8%
2006
351.6
24.5
7.0%
2007
283.1
29.7
10.5%
2008
460.6
35.5
7.7%
2009
375.6
31.1
8.3%
2010
207.6
20.7
10.0%
2011
311.3
21.5
6.9%
2012
192
22.1
11.5%
2013
282.3
14.9
5.3%
2014
252.9
22.8
9.0%
2015
227.2
11.6
5.1%
2016
177.7
11.4
6.4%
2017
85.8
8.4
9.8%
2018
205.3
12.9
6.3%
2019
142.4
4.3
3.0%

また、資源量に対する日本の漁獲割合を見ますと、総漁獲量の半分近くを日本が獲っていた2003年の5.3%に対し、この5年も3.0%~9.8%の間で変動しており、中国や台湾が獲ったために、日本だけ漁獲量が減ったとはいえず、総資源量の減少の影響が大きいことが分かります。

ひまり
食べたいのなら我慢もしなくちゃ

サンマの不漁へのネットの反応

日本も日本食の輸出とか言って、外国人に日本食を教えて食べさせた結果がこれ。
マグロ、ウナギ他多数。結果日本人が伝統的な食事が出来なくなる。
何でもかんでも外国に日本食を浸透させれば良いって事では無い。
日本も日本食の輸出とか言って、外国人に日本食を教えて食べさせた結果がこれ。
マグロ、ウナギ他多数。結果日本人が伝統的な食事が出来なくなる。
何でもかんでも外国に日本食を浸透させれば良いって事では無い。
外国船の話も良くでますが1日の漁獲処理能力は日本の方が断然上です。公海で先取りするから日本で獲れないと言うのはどう考えても無理があり日本で獲れないのは海水温の影響でここ数年近場に漁場が形成されないこと。
乱獲の影響も主要原因とは思いますが、海水温変化による潮流の変化が大きな原因だと思う。地球は歴史上まれに見る安定期であったが、変化し始めたと考えて良い。地球にとっては小さな変化でも生物には大きな影響を与える。人活動による温暖化と決めつけは危険である。温暖化、寒冷化両方の可能性がある。

何でもそーだが、制限をかけなければいつか資源は枯れる…人間の欲を押さえなければー生きるのも難しい時代がくる。バランスを崩さないように自然の生きものの命を大事にいただく…だだ売ればいい時代は終わりにしなきゃいけない。

出典:ヤフコメ

日本の食文化宣伝もそこそこにしないと自分の首を絞めるかもね
れん

まとめ

要約すると...

  • 世界のサンマの不漁原因は各国による乱獲のほか、地球温暖化などによる海面温度の上昇や回遊ルートの変化などによる資源量の減少による
  • 日本の漁獲量の減少は、主として、全体の資源量の減少に対応しており、中国や台湾が先取りするとの説の可能性は小さい
  • 海水温の影響が大きいというコメントが多いですが、外国に日本食を宣伝しすぎたためだとか、獲れなくなったら、別の魚を食べれば良いとの意見も

日本のサンマ不漁に陰謀説を唱えるむきがありますが、実際は主として全体の資源量の枯渇によると考えられます。

その原因は地球環境の変化に加えて、台湾、日本、中国がサンマを取り過ぎたためと考えられます。
温暖化は世界の大きな枠組みで解決するしかありませんが、資源を守るための乱獲防止は、今後もサンマ漁で生きてゆく各国が協力するしかありません。

2019年に決まった漁獲枠は、大きすぎて、乱獲防止にほど遠いとの意見もありますが、これを出発点に、サンマが幻の魚とならないよう知恵を働かせてもらいたいものです。

ひまり
知恵を絞って協力するしか

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