4月から始まった日本のコロナ緊急事態。それ以前から大都市部では「外出自粛」「3密回避」が声高に求められてきました。多くの家庭で「ウィズコロナ生活」はすっかり定着した感もあります。
コロナ禍の中ではマスクやアルコール消毒液が入手困難になるなど消費者も翻弄される日々ですが、「コロナ禍で売れた商品」をじっくり見てみると、不思議とみんなが家で何をやっていたか浮かんくるようです。
コロナ禍で売れた商品とは?中には意外なモノも上位に登場。今回は「巣ごもり生活」の実態が見えてくるようなコロナ禍売れ筋商品ランキングをご紹介しましょう。
目次
コロナ禍で売れた商品が報道される
このほど「東洋経済ONLINE」で興味深い記事が報じられました。タイトルは「コロナ禍で売れた商品TOP30『5月異変』のナゼ」。
記事は、市場調査会社インテージが、コロナ禍が消費動向に与える影響を示すデータとして公表している、品目別の前年同期比の売上額増減率を分析。ランキングにして紹介しています。コロナ禍で売れた商品の5月第1週ランキングトップ10は以下の通りです。
1位 マスク 281.1%
2位 体温計 260.4%
3位 殺菌消毒剤 258.4%
4位 ホイップクリーム 251.9%
5位 エッセンス類 224.1%
6位 小麦粉 197.5%
7位 プレミックス 195.3%
8位 スピリッツ・リキュール 193.4%
9位 住居用ワックス 182.9%
10位 住居用クリーナー 177.5%
ベスト3はコロナ禍での「品薄三冠王(?)」のマスク、体温計、殺菌消毒剤。いずれも去年の同じ週より3.5~4倍もの売り上げになっています。ただマスクは3月ごろには80%程度まで売れ行きが落ち込んでおり、極端に品薄状態だったとみられます。それが現在は市中に出回るようになって売れ始め、逆に品物が余って「値崩れ」も起きるほどになっているとのニュースも聞かれます。
アルコールなどの殺菌剤もいまだ品薄ではありますが、次第に需給が落ち着きつつあるほか、体温計は「消耗品」ではないため、2月下旬ごろ一気に爆発的に売れまくった後は、徐々に沈静化してきているようです。

コロナ禍で売れた商品で意外なもの
では東洋経済記事のランキングの中で、コロナ禍で売れた商品のうち「意外なもの」は何でしょうか。例えば4~7位は同じようなジャンルの商品が並んでいます。ホイップクリーム、エッセンス類、小麦粉、プレミックスです。これはいずれもお菓子やホットケーキ、お好み焼きなどを自宅で手作りする材料。つまり巣ごもりで多くの人が家で手料理をしたり、時間があるため手間がかかるお菓子作りなどに取り組んだことの結果とみられます。
コンビニが小麦粉まつりだった pic.twitter.com/xoJSXij0xf
— 手を洗うツジメシ (@tsujimeshi) May 17, 2020

8位のスピリッツなどのお酒も「家呑み」が増えたことの証左といえそう。9位、10位はやや意外な「住居用のワックス、クリーナー」です。年末など以外、普段はあまり売れなさそうな商品ですが、いきなりこんなに売れたのは、ゴールデンウィークの長い「巣ごもり生活」のため、「じゃあ大掃除でもしようか」と取り組んだ家庭が多かったためでしょう。
せっかく家族全員おるから床掃除して簡易ワックスかけた✨✨✨✨ pic.twitter.com/jtI3ptVbXx
— くらら (@Klatwiiit) May 18, 2020
このほか30位までを見てみると、「バター」「天ぷら粉」「フルーツ缶詰」「シチューベース」など、やはり自宅で家族総出で手料理を楽しむ光景が目に浮かぶモノが多い様子。
面白い商品では16位に「ホームパーマ剤」がランクイン。「時間はあるけど、行きつけの美容院が休業要請で閉まっていたり、開いてても3密が怖い」という人が多かったのか、一念発起して自宅で「自分パーマ」にチャレンジした様子がうかがえますね。
コロナで売れた商品へのみんなの反応





出典:ヤフコメ欄
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
要約すると...
- コロナ禍で人々の消費動向も大きく変化。意外な売れた商品とは?
- マスク・体温計など定番のほか、小麦粉・ミックス粉など上位に
- 床ワックス、ホームパーマも好調。巣ごもり生活スタイルを反映か
ご紹介したコロナ禍の意外な売れ筋商品。逆に売れなかった商品は何かというと、1位は「酔い止め薬」だそうです。何と3月23日の週から7週連続のワースト。例年なら大型連休に乗り物で遠出するため、子ども用に買う人が多いはずですが、今年はいかに「旅行に行く人が少なかったか」が分かります。
2位の「口紅」も納得。ほかの化粧品関係も上位に多く入っています。いつも通り通勤しているOLや外出する女性も、マスクを常用しているためどうしても化粧品の使用頻度は下がるようです。「マスク狂騒曲」はじめ、商品の売れ行きから人々の生活ぶりが見えてくるのは、まさに「これぞ経済」の興味深い現象です。

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