東京オリンピックの年の政治

スーパーシティ法とは?分かりやすく解説してみた

AIやビッグデータを用いて住民生活関連インフラを電子管理するスーパーシティ法(国家戦略特区法改正案)が、今国会で成立し、全国で5カ所程度の地域を特区に指定し、計画を具体化した後、2022年以降の実現を見込んでいます。

スーパーシティ法とは?どのような内容なのか問題点や海外での事例を含め分かりやすく解説してみました。

ひまり
成立してから初めて知ったわ

スーパーシティ法とは

スーパーシティ法とは何かを分かりやすく解説してみましょう。

スーパーシティ法とは①移動、②物流、③支払い、④行政、⑤医療・介護、⑥教育、⑦エネルギー・水、⑧環境・ゴミ、⑨防犯、⑩防災・安全のうちの少なくとも5領域をカバーする分野の規制を一括で緩和し、最先端技術を活用して、より良い未来社会を包括的に実現する都市を先行して目指す法案です。

具体的にはキャッシュレス、ペーパーレス限定や、自動運転、ドローン配達、遠隔医療、オンライン教育などを可能にすることなど、を想定しています。

住民が参画し、住民目線でより良い未来社会の実現がなされるよう、ネットワークを最大限に利用することが前提となります。

そのため、住民は自分が住む地域を未来都市社会実現に向けた実験場とすること、行動データなどの情報が取得されることなどに合意して参画しなければなりません。

スーパーシティを実現するためには、個人情報をすべて電子管理するシステムを構築し、このデータをスーパーシティ化を進める事業主体が自由に使える体制の整備が不可欠となります。

つまり、行政データ、住民データ、企業データ、個人データを電子管理し、それをすべてスーパーシティ都市構築事業主体に提供できるようにすることが必要です。

そして、収集対象となるデータは、移動(自動走行、データ活用による交通量管理・駐車管理等)、物流(自動配送、ドローン配達等)、支払い(キャッシュレス)、行政(オンライン化)、医療・介護、教育(AI活用)、エネルギー(水の自動管理)、環境(ゴミ収集)、防災(緊急時のエネルギー供給、防災システム)、防犯(ロボット監視等)など個人の生活全般にわたっています。

実現される暮らしの具体例としては。
• 支払いも、手続も、ネットでいつでも、安全に、簡単にできる:行政手続きオンラインキャッシュレス
• 買物、ゴミ出しはじめ、家事がいつでも便利にできる:自動ゴミ出し収集
• 欲しい時に欲しいものが、簡単に買えて運んでくれる:自動配送
• 行きたいところへいつでも行ける:自動走行
• どこでも最先端の授業が受けられる:遠隔教育
• 必要な診療と薬がどこにいても手に入る:遠隔診察遠隔介護

これにより、人口減が進む地方創生の起爆剤となり、感染症対策として人と人との接触を避けながら住民生活を守る基盤にもなることも期待されます。

ただ、次のような問題点が想定されます。
1. 超監視社会になるのではないか。
2. 生活全般にまたがる個人情報行政機構、外国企業を含む事業主体のIT企業に把握される。
3. 個人情報の漏えいや不正利用の危険がある。
4. 前提となる「事前に住民合意を得ている」ことがスムーズに行くか。
5.住民、IT企業、首長の3者が協同して進める必要があるが、ビジョンを持って、住民の合意形成を実現させるリーダーシップを持った首長がいるか。

スパーシティがこれらの問題をクリヤーするのにエネルギーを使うだけの魅力があるかだ
れん

海外の先進例

海外でも、部分的な実施例はありますが、スーパーシティのような「まるごと未来都市」は、未だ実現されていないということです。

中国杭州「セントラルシステム交通監視型スマートシティ」

Eコマース企業アリババ集団と杭州による「City Brain」構想の一環のスマートシティプロジェクト
• AI・ビッグデータを活用した交通渋滞の緩和や、データ共通基盤を活用した多様なサービスを展開
•セントラルシステムを活用した都市交通の包括的なコントロール、道路状況の可視化による交通管理
交通状況に応じた信号の自動制御により、道路上の平均移動速度が15%上昇し、緊急車両の対応時間も半減、救急車の到着を7分早めることができたとされている。
また、道路上のライブカメラ映像をAIが自動で収集し、異常を認めた場合に警察へ自動通報する仕組みもあり、事故特定の精度は92%を超えている、とのことである。
このため、杭州市内の43%をカバーする4,000台超のライブカメラが設置されている。

国家の意志を強権的に押し進めることができる中国だからこそできたシステムとも言えます。

トロント再開発計画

世界中のスマートシティのモデルケースとも言われていたカナダのトロント「スマートシティ開発」は住民が猛反発し、事業主体のグーグル系企業米サイドウォーク・ラボがプロジェクト撤退を5月7日表明しました。

サイドウォーク・ラボは、2017年からトロント市のウォーターフロント地区で、データや通信、自動運転車などを活用するスマートシティ開発を進めてきました。
約55億円を投じて、木造の高層ビル群を建設し、そこで生活も仕事もできるようになるという内容でした。

開発地区全体で、エネルギーや物流といったインフラの整備、建築物や道路のデザインといったハード面から、リアルタイムな交通調整などのソフト面に至るまで、すべてを統合した上で効率的に運営するまちづくりを目指していました。

そのため、公共Wi―Fi、交通と街路の生活をモニタリングする大量のカメラやセンサーを周辺地域に設置するとしました。また、分野横断的な データ利活用を計画していました。

これに対し、個人データや社会関連データを営利企業がどのように収集し、管理するのかという点に疑問や懸念が噴出し、「監視社会の暗黒郷」「監視資本主義の植民地化実験」などと評されました。

さらに、カナダ自由人権協会は 昨年4月、「カナダはグーグルの実験用マウスではない」とカナダ政府などを相手取りと訴訟を起こしました。
この事業で監視が強化され、政府の役割を民間企業に外注することを懸念したためです。

このように、事業が進展しないことから、撤退を決意したと考えられます。

自由主義社会で、住民が情報把握、監視に納得して合意するにはかなりの壁があるようです。

ひまり
外国企業に情報持って行かれるなんて耐えられない!

スーパーシティ法へのみんなの反応

今回のコロナ禍で地方ではオンラインにすればする程停滞することが分かった。そんな自治体が大半なのに、究極のデジタル化を絵に描いたようなスーパーシティをどこに創るというのか。
まずは官庁、役所のITシステム化を進めて欲しい!今の複雑怪奇でオンラインてないシステム!ルールが職場を守る故に複雑でそれ故にシステムを拒んでる!
(10万給付は)各役所がすごい人海戦術でいつ終わるやら!
これから特区なんて5Gもすでに中国など生活にも浸透しつつあるのに、すべてが後追い。結局、他で作ったものを金を払って利用するだけで終わるような感じがする
個人情報保護法とのバランスが取れるのか?
都合が悪い時は個人情報と言い悪いと情報を吸い上げられる矛盾がある様に思える

行政を見ていると「お金使ったけど役に立ちませんでした」が伝統芸能にもなっているから物凄く不安。まずは台湾みたいに、超専門家を大臣に据えて高度なレベルでやって欲しい。

出典:ヤフコメ

この法案と現状の落差が大きすぎるんだよな
れん

まとめ

要約すると...

  • スーパーシティ法とはAIやビッグデータを用いて移動、行政、医療など住民生活関連のインフラをまるごと電子管理する未来都市を目指す法案
  • まるごとの個人情報の漏えいや不正利用の危険のほか超監視社会になるのではとの懸念が強い
  • 数々の懸念とともに、最近の給付金のオンライン手続きでのトラブルをみると、日本で、世界に先駆けてスーパーシティが実現することに懐疑的なコメントが多い

給付金は韓国では、スマホで申請してから、分単位で、振り込まれるシステムになっているようです。
役場が手作業で確認して、数週間かかる日本とは大きな違いがあります。

隣国の韓国や中国、台湾からIT分野で随分遅れてしまったということが今回のコロナ禍での行政の対応で非常に明らかとなりました。

あまり国民やマスコミに注目されないうちに、コロナ対策の補正予算審議の最中に、国会で成立したスーパーシティ法。

範囲が広く、IT用語も頻出し、問題点を含めて一般人がすべてを理解するのはなかなか難しいと感じました。

特に、住民やIT企業を引っ張ってゆく首長の存在が気になります。
スーパーシティ候補として50を超える地域が手を挙げているということですが、内容を理解し、住民を引っ張って合意に持って行ける首長がどれだけいるのか大いに心配になるところです。


我が国の現状を考えると、例えば、全国でwifi網を整備する、マイナンバーカードを国民が有効に使えるなど足元から固めてゆくのが先決ではないでしょうか。

ひまり
マイナンバーさえあればうまく行くと考えたのね

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