田中希実(豊田自動織機TC)が女子3000メートルで18年前の福士加代子の記録を破り、日本新記録をマークしました。
田中希実の1500mから10000mの自己ベストを短距離からマラソンランナーとなった福士加代子や一山麻緒と比較してみました。
この比較と、母親のマラソンランナー田中千洋さんの実績を含めて将来のマラソン転向の可能性を予測ました。

目次
田中希実の自己ベスト2020!
田中希実の自己ベストを、2020年を中心に、短距離からマラソンまで走った福士加代子や東京オリンピックマラソン代表の一山麻緒と比較しました。
レース | 田中希実 | 年齢 | 福士加代子 | 年齢 | 一山麻緒 | 年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
1500m | 4分08秒68(日本歴代2位) | 20歳 | 4分28秒35 | 18歳 |
||
3000m | 8分41秒35(日本新) | 20歳 | 8分44秒40(元日本新) | 20歳 | 8分53秒54 | 20歳 |
5000m | 15分0秒0(日本歴代2位) | 20歳 | 14分53秒22 (日本新) | 23歳 | 15分24秒17 | 20歳 |
10000m | 32分25秒81 | 19歳 | 30分51秒81 | 20歳 | 31分34秒56 | 22歳 |
ハーフマラソン | 1時間07分26秒 | 23歳 | 1時間08分49秒 | 22歳 | ||
マラソン | 2時間22分17秒 | 33歳 | 2時間20分29秒 | 22歳 |
福士加代子が3000mから10000mで日本新を出すなど、中距離界女子の第一人者として活躍しましたが、初マラソンは、25歳の時、自己ベストを出したのは、33歳の時でした。
もう少し早くマラソンに転向していたら、もっとオリンピック初め世界のマラソン大会で活躍していたのではと思えます。
一山麻緒は、昨年22歳で初マラソンに挑戦し、今年の名古屋ウィメンズマラソンで自己ベストで優勝し、東京オリンピックへの切符をつかみました。
田中希実は1500m、3000m、5000mで、一山麻緒の自己ベストを上回っていますが、10000mで50秒以上の差がついています。
マラソンに照準を絞って、本格的に長距離の練習を積めば、この差は詰められるものと思います。
母親からの指導も望めるでしょうから、将来が楽しみです。
田中希実選手は3000m8分20秒くらいまでは可能かと思う!但し独り飛び抜けた存在というわけではないので見てる側はおもしろい! pic.twitter.com/njvo47Ei5Z
— 山本 (@sbMZiidNnq2VT0j) July 9, 2020
ここで、田中希実(たなかのぞみ)のこれまでをまとめておきます。
田中希実の経歴
兵庫県、1999年09月04日生まれの20歳。
小野南中(兵庫)⇒西脇工業高(兵庫)出身で、同志社大学スポーツ健康科学部在学中。
クラブチーム(ND28AC→豊田自動織機TC)で活動しています。
2019年10月5日 世界陸上競技選手権大会(カタール・ドーハ)代表5000m決勝で14位に入り、日本歴代2位となる15分0秒01をマークしました。
2020年7月4日 ホクレン中長距離士別大会の1500m日本歴代2位の記録をマーク。
2020年7月8日 ホクレン中長距離士別大会の3000m日本新記録を達成。
2020年東京オリンピック5000m参加標準記録突破者です。
現在は中距離界の第一人者になりつつあるという段階です。
8~10kmのクロスカントリー大会に出場しての優勝経験もありますので、ある距離に固執するという気はないようです。

田中希実の将来性!マラソンは?
まず、北海道マラソン2度優勝の経験を持つマラソンランナーの母田中千洋さんに注目してみましょう。
田中千洋さんは1969.11.13生まれ、兵庫県立小野高校に進学、高校時代は兵庫県高校対抗駅伝、都道府県対抗駅伝の代表として活躍。
卒業後、5年のブランクを経て、1997年の北海道マラソンで市民ランナーとして優勝を果たしました。
その後2度の出産(1999年の第一子が希実さん)を乗り越え、昨年まで、国内外の90回のフルマラソンに出場しています。
2002年の名古屋国際で自己最高記録を4年ぶりにマークし、4位入賞(経産婦日本最高記録:当時)して、復活しました。
自己ベスト:フルマラソン 2時間29分30秒 / ハーフマラソン 1時間12分00秒
主な戦績は以下です。
1997 北海道マラソン 優勝
1997 ホノルルマラソン 4位
1998 東京国際女子マラソン 7位
---------------------------------------(第一子希実さんを出産)
2001 長野五輪記念マラソン 2位
2002 名古屋国際女子マラソン 4位
2003 北海道マラソン 優勝
---------------------------------------(第二子出産)
2007 アテネクラシックマラソン 2位
2009 コペンハーゲンマラソン 優勝
2011 ゴールドコーストマラソン 3位
2011 神戸マラソン 2位
2012 シティ トゥ サーフマラソン(パース) 優勝
2012 神戸 マラソン 2位
2013 神戸マラソン 優勝
2014 神戸マラソン 3位
2015 姫路城マラソン 優勝
2016 姫路城マラソン 優勝
昨年(2019/08/25)も、49歳で北海道マラソンを2:48:49(11位)で走っています。
驚異のお母さんですね。
父上も3000m障害の陸上選手だそうですので、陸上一家ですね。
アスリートとしては、恵まれた環境で育ったと思います。
陸上ファンとしては、母から受け継いだ遺伝的なものもあり、若いうちにマラソンに挑戦すれば、かなりのところまでやれるだろうと予想します。
今後、10000mを底上げし、長距離は嫌だと言って、なかなか走らなかった福士加代子さんのようにならず、遅くならないうちに、例えば、25歳までにハーフ、フルマラソンに挑戦して欲しいところです。

田中希実日本記録にネットの反響は?

以前に増して、筋肉量が増えた様に思います

体調に気を付けて、これからも頑張ってね!
応援してます!

このまま調整して体調が良ければ1500m&5000mも日本最高記録を更新するでしょう。頑張って欲しいです。


日本記録更新は時間の問題やね。1500は405切り、5000は1445切りできたら
世界でも入賞がのぞめるよ。
出典:ヤフコメ

まとめ
要約すると...
- 田中希実の自己ベストを福士加代子、一山麻緒と比較し、トップランナーとしての中距離での位置づけと、今後長距離の可能性を示した
- マラソンをやるのは、まだ先のようだが、一流マラソン選手の母の才能と素質を受け継いでいるはずなので、将来が大いに期待できる
- コロナ禍のこの時期での日本記録更新を賞賛し、今後に期待したいとの声が多数
1500m、3000m、5000mの女子中距離界の日本記録は、福士加代子を初め、2002年から2006年の記録がここまで、破られず、生き続けていました。10数年以上更新する選手が出なかったということになります。
それだけに、3000mに続き、1500m、5000mも記録更新をと、勢いがある田中希実に、期待が高まります。
そう遠くない将来に母親の、稀有な才能と逞しいチャレンジ精神を受け継いでマラソンに是非挑戦してもらいたところです。

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