「井上尚弥vsカシメロ」は延期、「ワイルダーvsフューリー3」もいつになるのか…。新型コロナウイルスの感染爆発で海外のボクシングマッチが続々中止となり、ファンには何とも寂しい春の日々。
そんな中、井上選手も優勝を果たした階級世界最強決定トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」が、このほどゲームによる仮想トーナメント「eWBSS」を開催し反響を呼んでいます。
「eWBSS」とは一体何?どこで見られるのでしょうか。試合の内容なども調べてみました。

目次
eWBSSとは?
「eWBSS」とは、今話題のいわゆる「eSports」(eスポーツ)の一種です。eSportsはコンピューターゲームを正式な競技スポーツととらえたもの。世界で高額な賞金がかけられた大会が開かれ、巨額の報酬を得る「プロ選手」も多く、五輪種目への採用も検討されるほど世界的に普及しつつある新しい競技です。
さまざまなスポーツのゲームでeスポーツ競技が行われていますが、格闘技も盛んな競技の一つ。総合格闘技などでは多額の賞金を賭けた大会も開かれています。
そして今、コロナ禍で「リアルな試合」がほぼすべて中止になり世界のボクシングファンが悲しみに暮れる中、ボクシングの真の世界一を決める「WBSS」が、ゲームの世界で夢のトーナメントを実施し、映像を公開したのが「eWBSS」です。
トーナメントではXboxのボクシングゲーム「ファイトナイトチャンピオン」を使用。ヘビー級のレジェンドボクサー8人を勢ぞろいさせ、日本時間24日から開幕しました。その組み合わせは以下の通りです。
■準々決勝(1回戦)
①モハメド・アリ vs イベンダー・ホリフィールド
②レノックス・ルイス vs ジョー・フレイジャー
③マイク・タイソン vs バタービーン
④ジョージ・フォアマン vs デヴィッド・ヘイ
年代を大きく超えた戦いもあり、実際にはあり得ない伝説的夢の対戦ばかり。①と②の勝者、③と④の勝者同士が準決勝で戦い、さらにそれぞれの勝者が決勝で優勝を争うという、実際のWBSSと同じトーナメント方式です。
第一試合は、ヘビー級の〝神〟アリと90年代の3階級制覇王者ホリフィールドの顔合わせ。第二試合は90年代最強とも呼ばれた元王者レノックス・ルイスと、70年代に名王者として活躍したジョー・フレージャーの1戦です。
さらに第三試合は80年代〝最凶〟の剛腕王者マイク・タイソンと、「史上最強の4回戦ボーイ」の異名を持つ米の人気格闘家エリック・"バタービーン"・エッシュというちょっと変わったマッチング。そして第四試合は、歴史に残る名王者ジョージ・フォアマンと、2000年代に2階級を制覇したデビッド・ヘイの対戦となりました。
https://twitter.com/WBSuperSeries/status/1242907874487123968
27日時点で既に準々決勝は終了したこのeWBSS、どこで見れるのでしょうか。

どこで見れる?動画はこちら
eWBSSとは、レジェンド同士の夢の対戦が行われるゲームのヘビー級最強決定戦。ではその動画はどこで見れるのでしょうか。各試合はWBSSの公式YouTubeチャンネル、Twitterとインスタグラムで公開されています。
まず第一試合のアリvsホリフィールド戦。ゲームとはいえ、クオリティは本物の動画に近いほどの高さです。フィニッシュは5回。アリが右のアッパーでぐらつかせると、コーナーに詰めて最後は右フックでダウン。見事にアリが準決勝に駒を進めました。
↓「アリvsホリフィールド」戦動画はこちら
次のルイスvsフレージャー戦。7回、ルイスがロープ際に追い詰められると左アッパーを被弾。ロープにもたれるようにして巨体が崩れ落ちます。何とか立ちますが、直後にまたも左アッパーが直撃。ヘビー級の名チャンプがKO負けし、フレージャーが準決勝進出を決めました。
↓「ルイスvsフレージャー」戦動画はこちら
↓三試合目、タイソンが2R、強烈な左フックでバタービーンを仕留めた動画
↓四試合目、ヘイが鮮やかな右ストレートでフォアマンを攻略
https://twitter.com/WBSuperSeries/status/1243250221930483714

eWBSSヘビー級に海外の反応は?






出典:YouTube
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
要約すると...
- ボクシング試合が続々中止になる中、eWBSSでファン活況
- ヘビー級のレジェンド8人がゲームで夢のトーナメント
- 敗れたルイス本人が再戦要求するなど「憂さ晴らし」の娯楽に
新型コロナ禍が長引き、終わりの見えないトンネルに入った印象もある中、ボクシングファンもストレスがたまっているのか「たかがゲーム」のはずの「eWBSS」も結構盛り上がっているようです。
面白いのは、登場した当の本人も素早く反応したこと。「惨敗」を喫した元王者ルイス氏は、プライドが許さないのか、ツイッター上で「スモーキン・ジョー、勝利おめでとう。彼は私に素晴らしいパンチを放ち、私は再び立ち上がることができなかった。君には脱帽だよ」と勝者を称えつつ、「私は彼と再戦したいね」と何とリマッチを要求。
ファンからも再起を願う声が上がるなど、すっかり本物ばりに楽しむ「空想エンターテイメント」になっている様子。決勝では誰が頂点に立つのか、楽しみですね。