インディ500で3年ぶりに優勝を飾った佐藤琢磨に対し、残り5周で猛追していたスコット・ディクソンが、イエローフラッグはおかしい、レッドフラッグであれば勝てたのにと異議を唱えました。
自動車レースでイエローフラッグとは?レッドフラッグとは?何を意味し、どのような時にふられるのでしょうか?
過去の事例も含めまとめてみました。

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イエローフラッグとは?佐藤琢磨優勝時に物議に
佐藤琢磨優勝時に物議となったイエローフラッグとは、自動車レースでどのような時にふられ、勝敗に影響してくるのでしょう?
インディ500は、米国インディアナ州のインディアナポリス・モータースピードウェイで行われる1周2.5マイル(約4キロ)のオーバルトラックを200周(500マイル)する過酷なレースで、 モナコグランプリ(F1)、ル・マン24時間レースと並び世界3大レースのひとつに数えられています。
コロナ禍の影響で、例年の5月開催が8月となり、無観客で行われた今回、佐藤琢磨(43)が2017年に続き、2度目の優勝を果しました。
ところが、優勝後、イエローフラッグが出されたことに物議が生じました。
イエローフラッグとは
マシンクラッシュした等コース上の危険が生じたときにドライバーに知らせる黄色い旗のことで、イエローフラッグから事故現場を過ぎて、グリーンフラッグが表示されている地点までの間、追い越しは禁止されます。
つまり、次にグリーンフラッグが出された地点から追い越しが可能となります。
今回のレースを振り返ってみましょう。
今回のケース
佐藤琢磨は、終盤スコット・ディクソン(40、ニュージーランド)とのデッドヒートとなり、185周目でトップに立ちました。
ところが、残り5周で、後続のスペンサー・ピゴット(26、米国)が大クラッシュを起こしたため、「イエローフラッグ」がふられ、スローダウンして追い越し禁止となり、残り5周でフルコースコーション(警告)が宣言されることとなり、佐藤琢磨はそのまま1位でゴールしました。
これに対し、ディクソンは、「僕は間違いなく、残り5周からレースが再スタートすると思っていた。レッドフラッグ(レース中断)が出ると思っていたんだ。なぜなら大きなクラッシュだったし、現場を片付けるのには時間がかかると思ったんだ」と、「イエローフラッグ」の判断に疑問を呈しました。
つまり、レース中断後、グリーンフラッグがふられ、レースが再開さえすれば、残り5周で逆転できたのにという意味です。

レッドフラッグとは?
では、レッドフラッグとは?どのような場合にふられるのでしょうか?
レッドフラッグとは、何らかの事故やアクシデントなどによってこのままの状態ではレース続行が不可能と主催者が判断した場合に、レースの中断を知らせる為に振られるフラッグのことで、セッションは一時中断となり、ドライバーは徐行しながら直ちにピットに戻らなければなりません。
実際2014年のインディ500で、似たようなケースで、終盤の192周目にトップグループの1台が単独でアクシデントを起こし、レースはそのままイエローフラッグでゴールとなる可能性がありましたが、レッドフラッグ中断となりました。
レッドフラッグが出されたときにトップを走っていたハンターレイは、10分あまりの中断のあとに再開されたレースでも力強く走り、インディ500での優勝を初めて達成しました。
この件が、スコット・ディクソンの頭にあったのかもしれません。
イエローフラッグかレッドフラッグかは、主催者がアクシデントをどう見るかにかかっています。
今回のケースは、ピットレーンの入り口で起きたクラッシュの救護作業が可能だったため、イエローフラッグ(コーション)でのレース続行が認められたものですが、レッドフラッグで、一旦中断し、再開ができなくもなかったために、異議が出されたようです。
ディクソンは残りの燃費で、優位に立っていたので、最後に勝てる自信はあったと言っていますが、あくまで「たら・れば」の話です。
現地メディアも、例えレッドフラッグとなっても、佐藤琢磨が勝利しただろうなど、ディクソンの異議を支持する意見はほとんどありません。
なお、3年前、アジア人として初めて、佐藤琢磨がインディ500に優勝した時にもひと騒動ありました。
デンバーポスト紙の記者テリー・フレイが、佐藤琢磨の優勝が決まった直後に「メモリアルウィークエンドに日本人のドライバーがインディアナポリス500で勝ったのは、私にとって不快感を覚える」とツイートし、SNS上で人種差別発言だと炎上し、テリー・フレイを批判する投稿が殺到しました。
記者は謝罪し、そのツィートを削除したものの、デンバーポスト紙「フレイ記者はもはやデンバーポストの記者ではない」とする声明を発表して、テリー・フレイを解雇したという騒動です。

イエローフラッグ物議に関するネットの反応



何のトラブルやイレギュラーも無しに終わるレースなんて無いでしょ。

「後 一周有れば抜けたと思う」これと似た話。

出典:ヤフコメ

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まとめ
要約すると...
- マシンクラッシュなど事故発生じたときに、出される警告で、イエローフラッグは、レースが続行されるものの、その後の一定区間追い越し禁止となり、レッドフラッグは、レース続行が不可能と判断され、一旦レースは中断される
- レース終盤でイエローフラッグかレッドフラッグかの判断が勝敗を分けたケースは過去にもあった
- 「一点の曇りも無い佐藤琢磨の勝利」というのが日本のファンの総意のようです
43歳の佐藤琢磨が、過酷なインディ500で、2度目の勝利を飾りました。佐藤琢磨の優勝時には前回も騒動が持ち上がり、今回もまたかと思いましたが、実績を積み重ねてきた重みか地元メディアも冷静で、異議を支持する声はほとんどありませんでした。
佐藤琢磨がこの自動車レースファンを含む世界でしっかり定着し、実力を認めていることを表しています。
なお、優勝時に「伝統に従ってビクトリーレーンでミルクを飲む栄誉に浴しました」と書かれており、今回も佐藤琢磨も、瓶のままごくごくと飲むと、そのままミルクを頭からかぶったとありました。
過酷なレースとミルクの取り合わせには不思議な気がしますが、インディ500では、優勝したドライバーは牛乳を飲むという慣習があります。
1933年、ルイス・メイヤー優勝レース終了後にバターミルクをリクエストしたことから始まったようで、「ビクトリーレーンで牛乳を飲む」という行為にもスポンサーがついているそうです。

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