東京オリンピックの年の経済

イールドカーブコントロールとは?わかりやすく解説

コロナ禍で、アメリカ経済が落ち込み失業者増などで、安全資金の円買いが増えるのではと予想されていたところ、意外にも1ドル110円台をめざすドル高となっていました。
ところが、米国FOMCがイールドカーブコントロール導入検討かという報道で、一挙に107円台まで下落してしまいました。

一体イールドカーブコントロールとはどのような意味で、どんな効果・影響があるのでしょうか? わかりやすく解説してみましょう。

ひまり
為替の動きはさっぱり分からない!

イールドカーブコントロールとは

イールドカーブコントロールとは?を説明してゆきます。

イールドカーブとは、縦軸に債券の利回り、横軸に債券の償還までの残存期間をとったもので、「利回り曲線」とも呼ばれています。
例えば、国債の5年物や10年物、20年物など各年限の利回りを線でつないだものとなります。

通常であればイールドカーブは、期間の短い金利が低く、期間の長い金利ほど将来のインフレ期待やリスクが考慮されて高くなるため、右肩上がりとなります。

2013年4月以降、日本銀行はデフレからの脱却を図り、「量的・質的金融緩和」政策をとってきました。
さらに、2016年1月には、金融機関が日銀に預ける当座預金の一部で金利をマイナス0.1%とする「マイナス金利政策」を導入しました。

ここで、マイナス金利政策の結果として、長期、超長期の国債利回りの大幅低下が生じ、銀行、年金、生命保険の運用難、さらには、将来の受給見通しの悪化を通じて消費者心理に悪影響を及ぼす懸念が出てきました。

これを回避するために2016年9月に打ち出された政策が、長期金利と短期金利をともに特定の水準に誘導するイールドカーブコントロールです。

具体的には、短期金利は従来どおり日銀当座預金の一部金利をマイナス0.1%に維持しながら、長期金利(10年物国債利回り)についても「ゼロ%程度」という誘導目標を定め「プラスマイナス0.2%程度」を念頭に、その範囲内に収まるよう国債の買い入れを調節するというものです。

これにより、マイナス金利政策導入以降フラット化したイールドカーブ(期間の短い金利が高め、期間の長い金利が低め)を、適切な傾きに形作ることを図るというものです。

この政策は、他の主要国では例を見ないもので、日銀が初めて実施しました。

黒田総裁独自のアイデアだったのか!
れん

イールドカーブコントロールがなぜ話題になっているか?

米国の場合

コロナ禍での急激な経済の落ち込みに対して、各国とも金融緩和への依存が高まる中で、米国のFOMC(連邦公開市場委員会)はさらなる緩和余地を確保するための方策を探っています。

3月3日にFF金利の誘導目標レンジを0.5%ポイント引き下げており、引き下げ余地は縮小しつつあります。
そこで、手段の1つとされるのがイールドカーブコントロールです。

アメリカの金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)でイールドカーブコントロールを検討する可能性がメディアで報じられたことで警戒感が高まっています。

その理由は、経常収支黒字国の日本と違い、経常収支赤字国の米国は、海外からの資本流入を必要としており、もし、イールドカーブコントロールを導入した場合、資本流入(ドル買い)が滞り、ドル安となる可能性が高まることになるというものです。

日本の場合

米国の金融緩和で、ドル安が予想されたにもかかわらず、コロナショック直後の2月を除いて、1ドル107円近辺を保ってきました

しかし、一旦1ドル100円を突破するような円高に振れた時には、日銀の取りうる策はマイナス金利の深掘りや、10年物国債の金利水準を0%前後に誘導するイールドカーブコントロールの誘導水準をマイナスに引き下げるとかしか残っていません。

これに伴い、銀行融資の利ザヤがますます縮小して銀行経営は苦しくなり、口座管理料などの手数料を設けたり、上げることから、極端な場合個人の口座にマイナス金利導入にまで進む可能性があります。
これで銀行預金は引き上げられ、タンス預金に回るのではなど話題になっています。

ひまり
なんだか日本人には良いこと少なそう

イールドカーブコントロールへのネットの反応

なるほどイールドカーブコントロールでアメリカも日本化していくのか。
FRBがイールドカーブコントロール採用しそう⇒金利低下、債券買い⇒ドル安⇒日本株安  という理屈らしい。
今回のFOMCでイールドカーブコントロールが議論され、国債金利の上限目標の設定によるFRBの国債買入が行われることとなれば、日米金利差の縮小による円高傾向となる可能性が高まります。
一気に円高なっとる。FOMCがイールドカーブコントロール検討→米長期国債利回り低下→ドル売り→円買い→円高、、、最近にしてはすごく素直な反応で逆に納得いかない。

日本同様に長期金利上昇を抑制するイールドカーブコントロールを米国も採用するのでしょうか?米金利上昇が抑制されるからドル売り?リスクオフになりやすくなるからドル売り?よくわかんないです。

出典:ヤフコメ

動きは激しいが、なかなか複雑じゃのう
れん

まとめ

要約すると...

  • イールドカーブコントロールとはマイナス金利政策による銀行、年金等の運用難という副作用を回避するために、日銀が打ち出した長期金利と短期金利をともに特定の水準に誘導する政策のこと
  • 米国が採用すれば、円高要因になり、日本で円高が大きく進んだ場合にイールドカーブコントロールの誘導水準をマイナスに引き下げるなどで、マイナス金利導入に至る可能性がある
  • イールドカーブコントロールをFOMC検討かの報道での急激なドル安に戸惑いの声多数

日銀の黒田総裁が世界で初めて導入したイールドカーブコントロール策が、注目を浴び、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が、3月19日に採用し、米国FOMCも採用を検討し始めたと伝えられています。

コロナ禍対応の金融緩和で、世界中で金利が低下したところで、取りうる政策が永年金融緩和策を取り続けてきた日本の策が生きたことになります。

しかし、今後日本に残された手段はますます少なくなり。円高が大きく進んだ場合何ができるのでしょうか?

これ以上の円高による打撃は日本経済の致命傷になりかねません。

ひまり
もう災難は御免被りたい

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